出版社内容情報
日本人はなぜこんなにカラオケが好きなのか? 人間は唯一の"歌う動物″であり、歌うことは生の回復であると考察する言語哲学の第一人者であり、かつ熱烈なカラオケ道の実践者である著者が、カラオケの奥深さ,上達法などを、楽しくかつ真摯に語る。歌うことの好きな人、カラオケ愛好家におくる最高に楽しい一冊.
内容説明
言語哲学の第一人者であり、熱烈なカラオケファンである著者が、楽しくかつ真摯にカラオケを様々な視点から論ずる。人間は唯一の“歌う動物(ホモ・カンターンス)”である。人は歌うことにより世界に気づく。カラオケで歌うことは、生(レーベン)の回復であると著者は考える。カラオケと歌うことの魅力を存分に語り、歌うことの好きな全ての人におくる格好の書。井上陽水と著者が歌うことの楽しさを語り合った対談を併せて収載。
目次
序章 歌う阿呆に聴く阿呆
第1章 カラオケ七不思議
第2章 情感あふるる音痴
第3章 カラオケを楽しむために
第4章 音楽のミステリー
第5章 カラオケとは何か
終章 人はなぜ歌うのか
著者等紹介
丸山圭三郎[マルヤマケイザブロウ]
1933‐93年。言語哲学者。東京大学文学部フランス文学科卒、同大学院修了。コーネル大学院に留学、ソシュール研究で大きな業績を残し、さらに独自の言語論・人間論・文化論を立ち上げた。中央大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本命@ふまにたす
1
哲学者による異色のカラオケ論。思想的文脈を感じさせる部分もあるにはあるが、それよりも(やや古いというのはあるけど)エッセイとして楽しく読める。著者のカラオケ愛あふれる一冊。2022/04/21
O. M.
1
哲学者による現代カラオケにまつわるエッセイ。カラオケあるある話や、カラオケで上手く歌うには、といった話に大部分を割いており、本書のタイトルは如何なものか? 途中から流し読みになってしまいましたが、結局「人はなぜカラオケをするのか」に対する著者の答えとしては、現代のボーダーレス化(プロとアマ)という背景に、ストレス社会のはけ口が重なって、といった感じ?2018/05/06
塩崎ツトム
1
東京大学の著名な哲学教授(故人)が、自身の趣味であるカラオケについて、ひたすら語ります。趣味の世界で一冊本が出せた幸福な出版時代。(もちろんキャリアのある人物だからできることだけど)2014/10/16
悸村成一
0
カラオケと言語哲学者の取り合わせに一驚。 山下達郎、丸山圭子は出て来ない。李成一、junk-CD を聞くだけなので、実践的にカラオケ道で距離は遠い。図書館本。222015/01/29
太刀河 抹茶
0
ソシュール言語学の大家が、井上陽水氏のファンで、丸山氏との対談も収録され、また「陽水の快楽」の哲学者竹田青嗣氏が解説を書く。哲学者がキチンと書くカラオケ芸術論。カラオケを通じ、彼は言う。「浅く広くか、深く狭くか。という対立は成立しない。深く行けば行くほど広くなるのであって、これは地下水のようなものなのだ」と。表層ではなく人間の深層に着目し、本書のタイトルに繋がったようだ。1990年代のカラオケ全盛文化を当代随一の思想家が解説している、滑稽とも思えるほどの芸術論である。あの時代の何か懐かしさが漂う文化論。2014/11/16
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