岩波現代文庫
田辺元・野上弥生子往復書簡〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 400p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021962
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0190

出版社内容情報

近代日本を代表する哲学者田辺元(1885-1962)と,女流小説家野上弥生子(1885-1985)が,晩年の65歳から田辺の亡くなる前年までの10年間にわたり交わした書簡集.戦後の老哲学者の思索の深化と,小説家の畢生の大作『迷路』の完成に至る苦闘が,如実に読み取れる.戦後を代表する男女の知識人同士の往復書簡は,戦後日本思想史の特筆すべき記録である.(解説=加賀乙彦(上),小林敏明(下))

内容説明

京都学派を代表する哲学者田辺元と、著名な女流小説家野上弥生子が、晩年の六五歳から田辺の亡くなる前年までの一〇年間にわたって、文学、哲学を巡って交わした往復書簡集。時代を代表する哲学者と作家、しかも同年の男性と女性が、高度に知的な愛情関係をもち、親しく書簡の往復をかわしたことは、戦後日本思想史の特筆すべき一大ドキュメントである。上巻:一九五〇‐一九五五年。

著者等紹介

田辺元[タナベハジメ]
1885‐1962年。東京生れ。東京帝大哲学科卒。京都大学文学部教授。「田辺哲学」と呼ばれる独自の哲学体系を展開した。1945年、北軽井沢の山荘に隠棲。最期まで、山荘で思索・執筆を続けた

野上弥生子[ノガミヤエコ]
1885‐1985年。大分県生れ。明治女学校卒。明治・大正・昭和の三代にわたって文学活動を展開した代表的女流小説家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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踊る猫

26
お互いが作った歌を見せ合い、リルケやハイデガーについて語り、双方の本を読む(ということは、必然的に双方が文学や哲学を学ぶということでもある)。そういったことを、自然な所作としてやってしまうフットワーク/ノリの軽いふたりの姿がある(もちろん、ふたりが不真面目だとかそういうことではない)。死を意識し、死を見つめながらそれでも生きている以上は質素に読書と執筆の生活をしながら、それぞれが目指す高みに登り詰めたいと考える。そんなストイックなふたりの暮らしぶりが、イヤミなく伝わってくる。野上の『迷路』を読みたくなった2020/03/26

佐藤一臣

9
知識人の往復書簡というものを初めて読んだ。びっくりしたのは、お互いの身体への労りとおいしい物や書籍の送り合い。こんな行き来を手紙ですることは一般人ではないだろう。また、哲学の個人教授を受ける弥生子の真摯な姿勢は、年老いても新しい知識を吸収しようとする欲望を伺うことができる。人生の目的は「知ること」、そしてどこまで自分が知ったかを「確認すること」なのだろう。お互い愚痴が多いのも人間的で面白い。2015/10/08

Ribes triste

3
本屋で見かけ立ち読みしたが最後、そのまま購入。野上弥生子の流れるような美しい文体と田辺元の整然とした言葉で書かれる文体。読み進むうちに、手紙が紡ぐ互いを思う優しい気持ちに心打たれる。2015/05/14

Jokers38

0
老いらくの愛を感じる 2012/05/16

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