出版社内容情報
文化大革命末期の1970年代半ば,山西省呂梁山脈山奥の「小人村」.わずかな土地を受け継いだ曹永福は,富と女を独占しようとする人民公社革命委員会主任劉長勝に「富農」のレッテルを貼られ闘争にかけられる.主任に反発する知識青年趙衛国,村の男の「共有の嫁」秦暖玉.貧
内容説明
文化大革命末期の山西省呂梁山脈奥地の「小人村」。カシンベック病を患う村の男たちの「共有の嫁」の秦暖玉。彼女をねらう人民公社革命委員会主任の劉長勝とそれに反発する下放知識青年趙衛国。わずかな土地を受け継いだがために「富農」のレッテルを貼られた曹永福は、闘争にかけられる。追い詰められる、ことばを持たぬ村人たちの運命は。
著者等紹介
李鋭[リエイ]
1950年北京生まれ。文化大革命中に山西省呂梁山脈の寒村に下放し、定住。その体験をもとに土地に縛られつつ貧困と無知の中で生き、死んでいく農民群像を見つめた短編集『厚い土』(1989年)で文壇に独自の地歩を築く。他に四川省の古き町を舞台に、中国の近現代史を俯瞰して中国社会の本質を見つめた長編『旧址』(1993年)、『銀城物語』(2002年)などを発表。作品は欧米で早くから翻訳されている
吉田富夫[ヨシダトミオ]
1935年広島県生まれ。63年京都大学大学院修了。佛教大学名誉教授。中国近現代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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