内容説明
太平洋戦争末期、三十五歳で比島派遣渡兵団の補充要員として召集され出征した大岡が、フィリピン・ミンドロ島で戦い、米軍捕虜となり、そして復員する体験を描いた作品群を収録。捕虜収容所での生活を中心に扱った作品集『俘虜記』の姉妹篇をなす。死に直面した極限状況で人間がいかに考え、生きたかを描き出した戦争文学の傑作。
目次
出征
海上にて
比島に着いた補充兵
サンホセの聖母
暗号手
俘虜逃亡
襲撃
敗走紀行
西矢隊奮戦
山中露営
捉まるまで
ユー・アー・ヘヴィ
忘れ得ぬ人々
女中の子
わが復員
著者等紹介
大岡昇平[オオオカショウヘイ]
1909‐88年。作家。高校時代、小林秀雄にフランス語の個人指導を受け、その縁で中原中也を知る。大学卒業後、会社勤務のかたわら、スタンダールの翻訳を試みる。1944年、召集を受け、フィリピンに出征する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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