内容説明
「英語再入門を志したいけれど、いまさら文法書は…」そんな人が、楽しみながら英文快読のコツを学べる一冊です。基礎編では、よく使われるにもかかわらず日本人が誤解しやすい表現を解説、実践編では男女の愛のもつれを描いた喜劇『私生活』をまるごと読みます。かゆいところに手が届く懇切丁寧な説明は心強い伴走者。笑いながら本書を読み終えれば、実力アップ間違いなしです。
目次
第1部 基礎編 「きちんと」読むためのチェックポイント(英語のこころを読むためのヒント;快読のためのヒント)
第2部 実践編 作品をまるごと読もう―ノエル・カワード『私生活』より(第1幕;第2幕;第3幕)
付録
著者等紹介
行方昭夫[ナメカタアキオ]
1931年、東京都生まれ。東京大学教養学部イギリス科卒業。現在、東京大学名誉教授、東洋学園大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
89
再読ですが、いつも参考になることを見つけ出します。「英文快読術」の続編で基礎編と実践編で構成されています。基礎編は前巻の続きのような感じで「英文を読むためのヒント」「快読のためのヒント」ということでノウハウ集のような感じです。実践編はノエル・カワードの「私生活」という喜劇のシナリオがすべて掲載されています。ほとんどが会話なので英語の口語表現には参考になります。付録として3つの文章も掲載されています。2024/11/05
ふぁきべ
7
何年にもわたって放置していたが、何をこれまで躊躇していたのかというような内容だった。行方氏の書いたものなので説明はわかりやすく、読みやすい。ただ、題材となっているものノエル・カワードの英語は上流階級の非常に丁寧かつ古めかしい英語なので、現代的な英語を学ぶ上で優先順位が高いものかといわれると疑問も沸く。もちろん英文学者になりたいとか英文学の翻訳者になりたい場合は別だが、罵りあいでも汚い英語を使わない人たちの社交界に入っていくような日本人は政治家か貴族くらいのものだろう2021/06/05
Aminadab
4
行方英文解釈本五冊目。教材はノエル・カワードの戯曲『私生活』ほぼ全文。行方先生はこれを大学一二年生の授業に使っていたというがマジですかぁ。確かにyouとかmightとかは豊富だが、この話学生には、というかオトナでも既婚者じゃないと解らないよ。別れた夫婦、どっちも頭が良くて馬が合うが、どっちも負けず嫌い、気短、その上弁が立つからたちまち喧嘩になってしかも修復不可能。それぞれ別の相手(平凡人)を見つけて再婚したが新婚旅行先で鉢合わせ、たちまち焼け木杭に火がついて、という話。すごく苦い、冷え冷えとした笑いだ。2017/12/02
こめんぶくぶく
4
言語は文化だとつくづく感じる。英語学習という視点からでなく、読み物として十二分に楽しめた。古典から異文化の社会背景や当時の人々の喜怒哀楽の表情が垣間見られて興味深い。基礎編は私にとっても易しくて、東大生でもこんなことを間違うの?なんてちょっとえらそーに思ったけど、さすがに実践編はタフ過ぎだった。やっぱり言語学習は真面目に取り組まないと進歩しないんだわ2016/07/12
Hiro
2
やはり難しい、というのが読後の第一印象だ。構文を理解しその趣旨、英文の言わんとする所をしっかり掴むというのがこんなに難しいかとつくづく思い知らされる。最初の3分の1位は英文読解の諸注意ということで仮定法や比較級の意味の取り方などが説明され、また多読用のリトールド本の紹介もあり、まあそれほど骨を折らずに読めるのだが、実践編としてノエル・カワードの戯曲の精読に入ると単語を調べ構文を追いかけ劇の様子を掴むのにかなり苦労した。しばらく間をおいてその間にそれ相応の勉強をしまた読み直したいと思う。2017/01/07