内容説明
死こそ生よりも勝る―。恐ろしき教えで人間の驕慢を戒める、非情の神アポローン。『イーリアス』『オデュッセイア』以来、数ある古典作品に現れるその姿を手がかりに、人間の悲劇的精神が織りなすドラマの世界を逍遙する。碩学の導きによる、もうひとつの“ギリシア・ローマ古典文学案内”。
目次
1 ホメーロス
2 ヘーシオドス
3 ホメーロス風讃歌
4 ヘーラクレース物語
5 ヘーロドトス
6 アイスキュロス
7 ソポクレース
8 トゥーキューディデース
9 プラトーン
10 プルータルコス
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
2
古代ギリシャ時代の偉人たち(ホメーロス、ヘーシオドス、ヘーロドトスなど)が残した戯曲、詩、歴史書等の作品を、アポローン信仰の中心であったデルポイの神託所との関わり(当時は政治や行事、農耕の時期の選択は、この神託所によって占われていた)について、どのように作品に影響を与え、また、アポローン信仰について、どう考えていたのかを偉人たちの活躍した時代を追ってデルポイの神託所の栄光盛衰を考察している。とても独創的で面白い試みをした作品だが、古代ギリシャ文化(文学、歴史、周辺状況など)に造詣がないと敷居が高い作品。2013/09/03
AR読書記録
0
やはりここであげられている人なり作品なり世界なりに,それなりに通じていないと(っていうかアポローンといわれてもあまりイメージがわかないような状態だと),得られるものは相当限られます.が,それでもものすごく豊饒で奥深い世界がその先に広がっているのはわかる.ちょっとずつギリシア神話等も読み進めていくとともに,再読,三読していきたい本ですね.しかし,神と人との関係.直接的な介入から,巫女を通した預言,そして星になるまで... ううむ,興味深い.2013/02/01