岩波現代文庫
ルポ 戦後縦断―トップ屋は見た

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  • サイズ 文庫判/ページ数 356p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021245
  • NDC分類 916
  • Cコード C0195

内容説明

皇太子妃スクープ、売春防止法施行、蒸発人間、産業スパイ、国鉄鶴見事故、王子製紙争議、被爆者運動…、今では遠き彼方に過ぎ去ってしまった昭和三〇年代の世相を語る上で不可欠な主題を追跡した著者渾身のルポルタージュ選。戦後という現場で人々は何を思い、蠢いていたのか。週刊誌のトップ記事をスクープした「トップ屋」としてのしなやかで腰の強い取材力が渦中の人々と事件の真相に肉薄する。小説「皇太子の恋」も収録。

目次

皇太子妃スクープの記
話題小説 皇太子の恋
かくて「鶴見事故」は起こる―スポンサーなき企業の悲劇
赤線深く静かに潜航す―ステッキ・ガールという名の淑女たち
ストライキの果て―王子争議のもたらしたもの
蒸発人間―この奇妙な家出人たちの心理と行動のナゾ
産業スパイ
白い共産村―下着も共有の桃源郷
国有財産は誰のものか
不思議な官庁・通産省
ブラジル“勝ち組”を操った黒井い魔手
彼らが成功する瞬間―関東大震災を生かした人々
財閥の葬儀委員たち―不死鳥を殺したかった
丸ビル物語―サラリーマンの故郷
朴大統領下の第二のふるさと―十八年ぶりの韓国―それは懐かしいというよりも悲しいまでの“民族の悲劇”を私に痛感させた
ヒロシマの五つの顔―あれから十三年・死の影はまだ消えていない

著者等紹介

梶山季之[カジヤマトシユキ]
1930‐1975年。植民地下の朝鮮・京城(現ソウル)生まれ。広島高等師範学校卒業後上京し、「新思潮」の同人になる。後にライター生活に入り『週刊文春』等でスクープ記事を連発し、トップ屋として令名を馳せる。62年に『黒の試走車』を発表、企業情報小説というジャンルを開拓し一躍流行作家になる。多分野にわたって膨大な作品を執筆したが、朝鮮、移民、原爆を描いた小説『積乱雲』の執筆の途上で、取材先の香港で急死した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まり☆こうじ

2
『白い共産村』は初出誌では『白い共産部落』でしたね。今や完全に忘れ去られたコミューンの記録は貴重。『ブラジル“勝ち組”を操った黒い魔手』も眼から鱗の面白さ。ブラジル「勝ち組」事件はもっと詳しく知りたいなあ。2014/10/05

フク

2
★★★★。戦後の混乱期から高度成長期における昭和の闇の部分に光を当てたルポルタージュ集。社会ネタを元にした風俗小説などで知られる著者が、週刊誌のトップ屋として活躍していた昭和30年代前半頃の記録。硬軟取り混ぜて当時の日本社会を活写していて読ませる。2012/03/15

tecchan

1
 梶山季之氏が45歳で亡くなってから早45年。自分が住んでいる町が舞台として出てくる「黒の試走車」などの小説は読んだことがあるが、こうしたルポははじめて。 昭和30年代に書かれたルポで、テーマは、「皇太子妃スクープ」、売春防止法から、戦後の財閥解体秘話、広島被曝問題、産業スパイまで幅広い。昭和20〜30年代の世相が伺われて、また、知らなかった事柄も多く、勉強になった。2020/12/23

ミアロ

0
当時の時代がわかる本2009/01/09

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