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岩波現代文庫
私のなかの東京―わが文学散策

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  • サイズ 文庫判/ページ数 220p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021207
  • NDC分類 915.6
  • Cコード C0195

内容説明

後に都電三号線になった外濠線沿いを手始めに銀座、小石川、本郷、上野、浅草、吉原、芝浦、麻布、神楽坂、早稲田…。明治末年生まれの著者が、記憶の残像と幾多の文学作品を手がかりに、戦前から戦後へと変貌を遂げた街の奥行きを探索する。昭和文学青春期の証言者として、愛情溢れる追想と実感に満ちた東京散歩が綴られる。

目次

外濠線にそって
銀座二十四丁
小石川、本郷、上野
浅草、吉原、玉の井
芝浦、麻布、渋谷
神楽坂から早稲田まで

著者等紹介

野口冨士男[ノグチフジオ]
明治44(1911)年‐平成5(1993)年。作家。東京生まれ。慶應義塾大学文学部を中退し文化学院に入学した頃から旺盛に小説を執筆。紀伊国屋出版部、都新聞等に勤務する。昭和15(1940)年長編小説『風の系譜』を発表。昭和19年海軍に応召。戦後は徳田秋声研究に没頭し、『徳田秋声伝』(毎日芸術賞)『わが荷風』(読売文学賞)『かくてありけり』(読売文学賞)『感触的昭和文壇史』(菊池寛賞)「なぎの葉考」(川端康成文学賞)『暗い夜の私』等の代表作が知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

tjZero

1
出版社、新聞社勤務を経て作家となった著者が、明治以降の文学作品に登場する都下の様々な街角をぶらぶら歩き、文豪たちとの思い出と共に綴ったルポルタージュ。現代的な街並みの下から、なつかしい匂いが立ち上がってくるよう。アプリのマップに頼らず、この本を片手に都内を歩けば”文学的ブラタモリ”ともいうべき、有意義なお散歩ができそう。2020/07/02

YI

1
つねにアップデートされる「東京」という土地で生まれ育った人間は、いまここにある風景も近い将来には消えてなくなる宿命にあることを、しっている。この本は、文学青年として、編集者として、また作家として知己を得た作家たちの思い出とともに、著者が自身の記憶をなぞりつつ歩いた極私的「東京地図」である。プロローグともいえる「外濠線にそって」がいい。記憶の地層をゆっくり掘り起こすことで、幼少時代の通学路であった「市電」の車窓がよみがえる。そして、東京の人間はみな、こんなふうに「自分だけの東京地図」を持っているものなのだ。2015/07/06

Gen Kato

0
おもに昭和初期の東京の情景。作者が編集者として接した作家は島崎藤村とか宇野浩二など、スゴい面々。視点が永井荷風とかぶる(引用も多い)のは同じ山の手人種だからか、それとも慶応ボーイだからか、荷風についての著作があるせいか…2014/11/24

uchi93

0
東京散策のお供にするには、解説の川本三郎氏の「街歩き本」や永井荷風の「日和下駄」より、文学寄りです。2012/10/24

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