岩波現代文庫
マリリン・モンロー・ノー・リターン―野坂昭如ルネサンス〈3〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021146
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

徹底的に現実を拒否しおぞましい妄想にとりつかれた人間を主人公として、遠国の美女への願望、女たちの執念、反逆的なヒューマニズムや現実逃避をテーマとする中編小説集。作家自身の「私小説」である表題作「マリリン・モンロー・ノー・リターン」をはじめ、性と死を執拗に直視した問題作である「娼婦三代」「母陰呪縛譚」「死の器」「不能の姦」を収録。

著者等紹介

野坂昭如[ノサカアキユキ]
1930年鎌倉市生まれ。45年神戸大空襲で養父を失う。47年新潟の実父のもとへ帰る。50年早稲田大学文学部仏文科に入学し、七年間在学。音楽事務所勤務、コント台本作成、作詞等に従事。63年「エロ事師たち」発表。68年「アメリカひじき」「火垂るの墓」で第58回直木賞受賞。80年「四畳半襖の下張」裁判で有罪確定。83年参議院議員当選、同年総選挙に田中角栄元首相の地盤・新潟三区から立候補し落選。97年『同心円』で第31回吉川英治文学賞受賞。2002年『文壇』およびそれに至る文業により第30回泉鏡花文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

勝浩1958

8
十二分に堪能しました。屈折した性を悲喜劇交えて描いています。女性の悲しさも逞しさも描かれています。野坂氏はやはり心底女性が好きなのです。どのように女性を描こうと、そこには優しさがあると私には感じられます。これからも野坂氏の作品を読み続けようと思います。2016/10/15

hirayama46

5
「野坂昭如ルネサンス」なる復刊企画から刊行された一冊。初期から中期の中短編から構成された、全7冊のシリーズのようですね。本書は性と死にまつわる短編を収録した巻で、なにしろ野坂昭如の濃密な文体でこのテーマなので、全体的な読み口はなかなかに重いのですが、比較的ユーモアのある語り口である「死の器」が収録されているのが良いクッションですね。性的なものが狂気に達することも多く、それもまた重いですね……。2020/09/26

isbm

1
★★★☆2021/03/26

む け

1
野坂昭如といえば火垂るの墓・・・みたいなイメージがあるが、この人はまるで講談師のような口調でひたすら猥雑な物語を書き出す才能を持った人なのである。この独特の文体から生まれるリズムは恐らく誰も真似られないだろう。物語自体には深いテーマとかはない(と思う)が、この文章自体から伝わってくる戦前・戦後時代のエネルギー、エログロ醜悪さを合わせて、それに特に罪悪感なども覚えずずんずん生きていく人々の濃密な生には、今の時代にも読者を強烈に引き付けるものがあると思う。とはいっても読む人を選ぶだろう。でもそれでいいのだ。2012/12/29

康芳英

1
この本に収録されている「娼婦三代」には五十過ぎの女に娼婦としての手ほどきを受けた時の快楽が忘れられず、新入りの少女に同じ事をして手籠めにしてしまう百合シーンがあったりします(その後どうなるかはタイトルからお察しください)。それはそうとほとんどが色事がらみの作品な中で「老いと死」を何処かユーモラスに飄飄と描いた「死の器」が一番好きだったり。2012/04/04

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