岩波現代文庫
物語 戦後文学史〈中〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006020927
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0195

内容説明

二・一スト中止、太宰治自殺、朝鮮戦争…冷戦の谷間で日本の「戦後」は展開し、文学者たちの文学と思想をめぐる闘いも激しさを加える。大岡昇平、武田泰淳、伊藤整、三島由紀夫、竹内好、安部公房らの活躍が新しい時代を感じさせる。「物語」は作家たちの行動と性癖を余すところなく描き、いよいよ佳境に入る。

目次

石上玄一郎の孤独な歩み
戦争体験の分析者大岡昇平
「滅亡」の認識に出発する武田泰淳
伊藤整の前衛的な理論と実作
戦後派ならぬ戦後派三島由紀夫
戦後文学転機の年
民主主義文学内部の分派闘争
「国民文学」をめぐる論議
国士的風貌の論客竹内好
戦後史の転機としての朝鮮戦争
伝統を切断する鬼才安部公房

著者等紹介

本多秋五[ホンダシュウゴ]
1908‐2001年。愛知県生まれ。東大国文科卒業。文芸評論家。69‐79年明治大学教授。戦時下、トルストイ研究と『「戦争と平和」論』執筆に没頭し、47年刊行(70年増補版刊行、冬樹社)。文芸誌『近代文学』創刊に参加し、戦後思想の形成に大きな影響を与えた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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i-miya

24
2010.04.30 1966.03単行本。 ◎石上玄一郎の孤独な歩み。 ○エゾティシズムと文学。肌合いの違う太宰治。安心できない人物、太宰。上海引揚者、石上。第一次戦後派。高校時代、旧友の太宰。三好十郎。◎ 戦争体験の分析者-大岡昇平と『俘虜記』。 1948『俘虜記』。◎ 滅亡の認識に出発する武田泰淳。 ○ 武田泰淳と司馬遷。第2の新人、島尾敏雄、安部公房、堀田善衛、+武田泰淳。 第3の新人誕生の刹那的便宜的呼称に過ぎない。2010/06/13

ほたぴょん

2
大岡昇平や武田泰淳、伊藤整、三島由紀夫らの章を経て、中盤、共産党のブント闘争のくだりになると、どうしても筆が滞っていて、今ひとつ面白くないなあ、などと思っていたら、筆者自らが途中でその通りの反省をしていて笑ってしまった。このへんは連載時の文面そのままなんだろうなあ。自らが内情について知っているがゆえに、多少煩雑でもひとつの証言として書いておかねば、という使命感もあったのだとは思うし、外からはわかりにくいブント内部の力学の説明としてはわかりやすくもあるのだが、戦後文学史という枠組みの中ではちょっと異質。2014/09/07

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