出版社内容情報
国際政治に大きな影響力をもつと信じられた大国も、今日のウクライナや北欧諸国のように、その底流にあって確実に発言権を増す小国の動向を無視しえなかった。近代以降、小国はどのような役割を果たしてきたか。小国の実態と変容を精細に辿った出色の国際関係史。ロシアのウクライナ侵攻を受けて執筆された岩波現代文庫版あとがきも示唆に富む。
内容説明
国際政治に大きな影響力をもつと信じられた大国も、今日の北欧諸国やウクライナのように、その底流にあって確実に発言権を増す小国の動向を無視しえなかった。近代以降、小国はどのような役割を果たし、どう評価されてきたか。近現代史における「小国」の意味を捉え直した名著を文庫化。二〇二二年二月のロシアのウクライナ侵攻を受けて執筆された岩波現代文庫版あとがきも示唆に富む。
目次
序章 本書の課題
第1章 「小国」論の系譜
第2章 近代的「小国」の成立
第3章 中立的「小国」の増加と連合志向
第4章 「小国中立」の虚構化
第5章 「小国」の浮上
第6章 「小国」の凋落
第7章 「小国」の復権
第8章 「小国」問題の現況
第9章 「戦後」日本の「小国」像
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
15
北欧や東欧、ベネルクス三国など主にヨーロッパの「小国」に注目し、その歴史的な在り方を紹介した一冊。大国のはざまに生きる小国にとって、国際連盟や国際連合といった国際機関は、自国の安全保障を考える上で非常に重要な存在であることがよくわかる。国連の無力さを皮肉る前に、こうした面も考慮すべきであろう。ただ「小国」という定義が、結局のところ曖昧なままなのが本書の難しいところ。パワーか、経済力か、人口か。時代の変化に応じて、その捉え方は一定しない。著者も最後は経済大国日本を憂うという話に逃げた感がある。2023/07/13
わたてつ
1
北欧諸国の関係は興味深いし、著者がフィンランド外交を専門とされているだけに分かりやすい。2023/06/05
秋刀魚
0
小国と切っても切り離せない中立の歴史について書かれた本 昔の日本人の言葉とかが引用されてるけど現代語訳されてなくて要約もされてなくて全体的に読みづらかった2024/09/24
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