内容説明
この曖昧な制度は、どう思想化されてきたのか。天皇制論の新たな地平を切り拓いた画期的論考が、新稿を加えて復活。
目次
神と人間のはざまに
1(象徴;全体意志;不親政;文化概念)
2(村の祭り;天皇霊)
象徴の涯てに
象徴天皇をめぐる祭祀のゆくえ
著者等紹介
赤坂憲雄[アカサカノリオ]
1953年、東京都生まれ。東京大学文学部卒。学習院大学教授・福島県立博物館館長。東北学を提唱し、1999年に雑誌『東北学』を創刊。2007年『岡本太郎の見た日本』(岩波書店)でドゥマゴ文学賞・芸術選奨文部科学大臣賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Satoshi
12
民俗学者による象徴天皇論。前半にて戦後の思想家たちの象徴天皇論を紹介し、後半で最も重要な儀式である大嘗祭の歴史を解説する。読み進めていけば、天皇という権威の曖昧さが透けてくる。1990年によくここまで踏み込んだ作品を書いたなと思う。2025/08/26
TOMYTOMY
0
著者が言うように赤坂さんの若き文体というのを感じる。 オブラートに包みつつ凄いことが書いてある。 タブーであり、検証をし得ない聖なる場所であり全てが表向きにされ得ないということが我々を麻痺させる。 いつか革命が起きることがあれば全て明るみになるのではないだろうか。 三島考察なども面白いところであるが、果たして象徴とはなんなのか?それはかなり曖昧であり、矛盾が常に起きていることを私たちは気づいてない。そして我々のお金で成り立っているのである。2021/04/30