出版社内容情報
自己の知の限界を見極めつつも,つねに新たな知を求め続けた批評家の全体像を伝える本格的評論.
二宮 正之[ニノミヤ マサユキ]
著・文・その他
内容説明
小林秀雄がその生涯を通して問い続けたものは、この世に生まれてやがては消えていく人間の宿命そのものであった。初期の創作から、『モオツァルト』をはじめとする代表的な評論・随筆、そして畢生の大著『本居宣長』に至るまで、「死」と「生」というテーマを縦横に変奏し続けた思索家の全貌を描くことで、その奥深い死生観に迫る。小林秀雄を読む者は、つねに己の人生へと立ち戻らざるを得ないのである。芸術選奨文部科学大臣賞受賞作。
目次
序に代えて 小林秀雄のにがさ
1 小林秀雄をよむ(よむ―「叡智」または「知慧」;やくす―小林秀雄と訳すこと;かく―「随筆的方法」について;しんじる―「石」の意味するもの;審美体験・神秘体験―「神秘」と「合理」;からだ―経験談について;時間考;たましい―「魂」の領域;ことば―「無言」の境地)
2 小林秀雄と西欧作家(ジッドの訳者としての小林秀雄―実に滑稽だ。いや、なかなか面白い。;嫌いになった理由―小林秀雄とアンドレ・ジッド;「窮餘の一策」―小林秀雄とマルセル・プルースト)
3 日本の歴史の曲がり角に立つ小林秀雄(「近代の超克」と『文學界』;小林秀雄とその時代;小林秀雄と歴史の概念;「あたま」と「からだ」)
著者等紹介
二宮正之[ニノミヤマサユキ]
1938年生まれ。東京大学大学院仏語仏文学研究科を経て、パリ留学。以来、在欧。1969年以後、フランス東洋言語文化大学、パリ第三大学で教鞭をとったのち、1992‐2003年ジュネーブ大学文学部日本学科教授。現在、ジュネーブ大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ブルーツ・リー