出版社内容情報
世界史的一大変革であった幕末維新期の複雑な歴史過程の全容を、維新期史料に通暁する著者が筋道立てて描き出す、幕末維新通史の決定版。下巻は薩長同盟の成立から西南戦争終結まで、さらに自由民権への道筋を展望する。略年表・人名索引付。
内容説明
世界史的一大変革期であった幕末維新の複雑な歴史過程の全容を、維新期史料に通暁する著者が筋道立てて描き出す、幕末維新通史の決定版。下巻には「第3部討幕への途」と「第4部維新史の過程」(薩長同盟の成立から西南戦争終結まで)、そして「第5部自由民権に向けて」(福沢諭吉論・田中正造論)、さらに現代文庫版書き下ろし「補章維新変革第二段階としての自由民権運動」を収録。略年表・人名索引を付す。
目次
第3部 討幕への途(薩長同盟の成立;長州戦争・打毀し・世直し一揆;慶応三年時の対立する政治路線 ほか)
第4部 維新史の過程(戊辰戦争(1)―大政奉還・王政復古・鳥羽伏見戦争
戊辰戦争(2)―西国平定・年貢半減令・江戸開城・上野戦争
戊辰戦争(3)―東北戦争・箱館戦争 ほか)
第5部 自由民権に向けて(福沢諭吉と幕末維新;田中正造と幕末維新)
維新変革第二段階としての自由民権運動
著者等紹介
宮地正人[ミヤチマサト]
1944年生まれ。東京大学史料編纂所教授、国立歴史民俗博物館館長を経て、東京大学名誉教授。専攻は日本近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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skunk_c
55
下巻は薩長同盟とその下で展開された長州戦争から、西南戦争まで。そして現代文庫版には自由民権運動を維新史に接続させる補論が咥えられている。途中勝海舟や福沢諭吉といった著名人から、地域の農民や商人が同時代的に世の中をどう見て何を考え、行ったかが史料とともに示され、歴史過程が立体化、単なる権力政治史ではなく民衆をそこに位置づけることが意図されている。本書上下巻は現段階で幕末維新史を考えるのに最重要なものではないだろうか。講座派の流れをくみながら、徹底的な史料批判によって実証的に構築しようとする姿勢が素晴らしい。2021/06/02
ゲオルギオ・ハーン
22
学校の教科書では江戸幕府が終わった後は明治政府へスムーズに移行し、殖産興業をはじめとした近代化が(公害問題やインフレはあるが)割と順調に進んだように見えたが、実際はそんな楽なものではなかったことが分かる。封建国家から国民国家になるということで税の問題、封建時代の階級にも関わる軍制も変える必要がある。外交についても西欧から呆れられるほど段取りが悪いのでノウハウを得なければならない。国家機能を支える官僚機構もお雇い外国人を高給で迎え、整備を進めなければならない。なにもかも足りないので政策も綱渡り的な状況だ。2021/09/04
無識者
16
本当はもっと大局的に話をつかむべきなのだろうがそれをのみ込むだけの力量がないので、勝海舟や福沢諭吉について書かれている章が面白かった。特に諭吉が二十歳になってペリー来航を期に蘭学を学び、更には英語をも学び、渡米等をし、その後幕臣の地位を捨て慶應義塾をたてる一連の行動には、人間の潜在性を感じる。2020/10/18
ケルトリ
2
長くて難しい……(その2)2024/11/19