出版社内容情報
ブッダの誕生,悪魔の誘惑との闘い,最後の説法に至るまで,ブッダの生涯に即して語り伝えられている原始仏典をよみ解く.ブッダの言葉に最も近いとされるこれらの経典の中に,最初期の「仏教の心」が浮かび上がる.
内容説明
原始仏典から日本人にもなじみの深い大乗仏典まで、仏教学の泰斗がその内容を講義形式でわかりやすくよみ解く「お経」入門シリーズの第一弾。本書では、ブッダの誕生から悪魔の誘惑との闘い、最後の説法まで、ブッダの生涯に即して語り伝えられている最初期の仏典をよむ。ブッダのことばに最も近いと言われる、その力強く智慧に満ちたことばは、現代人に「生きる心がまえ」を教えてくれる。NHKラジオで大好評を博した中村元博士の名講義が、ついに文庫化。
目次
第1回 ブッダの生涯―『スッタニパータ』(1)
第2回 ブッダのことば―『スッタニパータ』(2)
第3回 悪魔の誘惑―『サンユッタ・ニカーヤ』(1)
第4回 生きる心がまえ―『サンユッタ・ニカーヤ』(2)
第5回 ブッダ最後の旅―『大パリニッバーナ経』
解説
著者等紹介
中村元[ナカムラハジメ]
1912‐99年。東京帝国大学文学部印度哲学梵文学科卒業。東京大学名誉教授。東方研究会・東方学院を創設。日本学士院会員・文化勲章・勲一等瑞宝章受章
前田專學[マエダセンガク]
1931年生まれ。東京大学文学部印度哲学梵文学科卒業。東京大学名誉教授。日本学士院賞受賞。東方学院長として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
74
31歳で東京帝国大学助教授に抜擢され、42歳で教授となり、1951年スタンフォード大学で客員教授としてインド哲学・仏教学の講義を行った著者が、1985年NHKラジオで行った「こころをよむ・仏典」全講義の活字化を弟子の前田専學が全4巻にまとめたものの第1巻。本書で触れられている「スッタニパーダ」「サンユッタ・ニカーヤ」「大パリニッバーナ経」は「パーリ語三蔵」のなかの「経蔵」に含まれるブッダの生涯と最後を含む聖典だが、日本には明治になって欧州の学者により初めて紹介された。語られた文章であり、読みやすい。2020/02/22
ホシ
12
本書は、中村元先生がNHKラジオ放送で行われた26回にわたる連続講義「こころをよむ/仏典」を活字化したもののシリーズ第1巻です。『スッタニパータ』『サンユッタ・ニカーヤ』『大パリニッバーナ経』が解説されます。『スッタニパータ』は読んだことがありますが、難解だったなぁ。しかし、本書は一般読者にもわかるように平易な言葉が用いられ、初期仏教経典の入門書として最適だと思います。多くの人にインド・仏教思想に触れてもらいたいと願う、中村先生のやさしいお人柄が滲み出ているかのような一冊でした。2018/06/11
氷柱
9
378作目。1月1日のみ。入門書としては最適。ただしあくまでも入門書なのでこの後に様々な作品を読むことで知識を得ていく必要はある。ブッダが出家してから悟りを開き、梵天に見出され、民衆に説いて周るまでが簡潔に示されている。当作の著者は既に鬼籍に入られているのだが監修の前田氏という著者の弟子が曲者で、あとがき部分で著者のことをこれでもかと褒めちぎっている。ブッダの本を読もうしらら著者についての知識までついてしまった状態に陥ることとなる。それはそれで面白いのだが、あまりにも突然だったので思わず微笑んでしまった。2018/01/01
おっとー
8
ラジオの内容を文字化した、のんびりした仏教解説。なぜみんな無条件にブッダを尊敬するのか(手塚治虫の漫画と違ってマガダ国王もデフォルトでブッダ信者だったのね)、なぜ思想の絶対性・唯一性を糾弾する割に自分の思想への帰依を求めるのかなどは不明確で、ちょっと待ってと言いたくなる。なんとなく思うのはブッダの死後、仏教の形式ばかりが重視されてしまったのではないか。本来はもっと即時的で、瞬間的な憐れみの思想に近かったように思う。ただその割にはブッダもある国を滅ぼすなとの政治的アドバイスもしてて、やっぱりちょっと待てと。2018/05/28
舟江
7
今まで美化されたものしか読んでなかったので、より当時に近いものが読むことが出来て良かった。仏教が宗教になったのは龍樹以降なのであろうか?2019/10/20
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