内容説明
心理療法家・河合隼雄から見た、日本屈指の王朝物語である『源氏物語』とはどんなものであったのか?「これは光源氏の物語ではなく、紫式部の物語だ」と気づいたことから、心理療法家独特の読みが始まる。そこには、どのような日本人の心の世界が描かれているか。古代から続く男と女の関係は、さながらマンダラのように配置される。現代に生きる日本人が、個として生きるための問題を解く鍵を提示する。
目次
第1章 人が「物語る」心理(玉虫色の光源氏;「物語」がつくりだされるとき;「いかに生きるか」という視点から)
第2章 「女性の物語」の深層(母権社会の男と女;母権から父権に変わるとき;自我クライシス;いまを生きるために不可欠なもの)
第3章 内なる分身(「内向の人」紫式部;「母なるもの」;妻を生きる;「娼」の位置)
第4章 光の衰芒(外から内へ、光源氏の変貌;「娘」とのかかわり;「密通」が生じるとき;深化するマンダラのダイナミズム)
第5章 「個」として生きる(男と女の新しいあり方;「ゲニウス・ロキ」をもつ場所;死に至る受動性;「死と再生」の体験)
著者等紹介
河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。1962年よりユング研究所に留学、ユング派分析家の資格取得。京都大学教授、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官を歴任。2007年7月逝去
河合俊雄[カワイトシオ]
1957年奈良県生まれ。京都大学教育学研究科博士課程中退。チューリッヒ大学院卒(Ph.D.)。ユング派分析家資格取得。現在、京都大学こころの未来研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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yumiha
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roughfractus02
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