岩波現代文庫<br> 源氏物語と日本人―紫マンダラ

個数:
  • ポイントキャンペーン

岩波現代文庫
源氏物語と日本人―紫マンダラ

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2025年08月06日 04時33分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●3Dセキュア導入とクレジットカードによるお支払いについて
    ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006003449
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C0111

内容説明

心理療法家・河合隼雄から見た、日本屈指の王朝物語である『源氏物語』とはどんなものであったのか?「これは光源氏の物語ではなく、紫式部の物語だ」と気づいたことから、心理療法家独特の読みが始まる。そこには、どのような日本人の心の世界が描かれているか。古代から続く男と女の関係は、さながらマンダラのように配置される。現代に生きる日本人が、個として生きるための問題を解く鍵を提示する。

目次

第1章 人が「物語る」心理(玉虫色の光源氏;「物語」がつくりだされるとき;「いかに生きるか」という視点から)
第2章 「女性の物語」の深層(母権社会の男と女;母権から父権に変わるとき;自我クライシス;いまを生きるために不可欠なもの)
第3章 内なる分身(「内向の人」紫式部;「母なるもの」;妻を生きる;「娼」の位置)
第4章 光の衰芒(外から内へ、光源氏の変貌;「娘」とのかかわり;「密通」が生じるとき;深化するマンダラのダイナミズム)
第5章 「個」として生きる(男と女の新しいあり方;「ゲニウス・ロキ」をもつ場所;死に至る受動性;「死と再生」の体験)

著者等紹介

河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。1962年よりユング研究所に留学、ユング派分析家の資格取得。京都大学教授、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官を歴任。2007年7月逝去

河合俊雄[カワイトシオ]
1957年奈良県生まれ。京都大学教育学研究科博士課程中退。チューリッヒ大学院卒(Ph.D.)。ユング派分析家資格取得。現在、京都大学こころの未来研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yumiha

37
河合隼雄による『源氏物語』の読み解き。人格としてまとまりのない光源氏の影の薄さを指摘し、光源氏の物語ではなく、紫式部の自己実現の物語だとのこと。つまり光源氏をめぐる女性たちは、紫式部の分身であり、さまざまな視点から紫式部の「世界」を描いた、というもの。言うてみれば、光源氏は狂言回しの存在でしかない、という見方は新鮮だった。次々と女性を変えて渡り歩く光源氏にうんざりして何度か挫折した『源氏物語』(いまだ「宇治十帖」へたどりついたことなし💦)だが、そう言われたら読み進められるかもしれない。2025/04/20

コニコ@共楽

16
千年前の『源氏物語』を心理療法家の河合隼雄氏がどう読み解くか、とても興味深い本。西洋の個人の物語が14世紀の『デカメロン』に始まったのに対して、平安時代に『源氏物語』という大物語を作り上げていたという考察が面白い。一神教は『聖書』に物語を封じ込め、個人の物語は神に対する冒涜としていると分析している。『源氏物語』は、女性が女性を語っている物語として現代人へ生きるヒントを与えてくれるという。確かにさまざまな階級のいろいろな性格の女性が描かれ、多面性を持つ分身を感じることで読み手はそこに自分を見出し得る。2024/03/28

roughfractus02

12
ユングは錬金術の過程に錬金術師が本来の自己に向かう個性化(personalization)の過程を読んだ。著者は『源氏物語』を紫式部の人格(personality)が自己自身に向かう個性化過程と見做し、光源氏と彼に関わる女性たちをその仮面(persona)と捉え、源氏を中心とした円を妻、娘、母、娼(恋人)の4領域に等分し、各領域に女性たちを配して曼荼羅を動かすように構造化した。著者は、源氏死後の『宇治十帖』の浮舟に至り、一人を愛することの困難が紫式部の無意識の現れとして「もののけ」を出現させたと解釈する。2022/12/14

マーブル

8
筆者はこの著作により『源氏物語』を女性の目で見直そうと試みている。男性の目は構造を明らかにし、女性の目は全体の構図を見るとも語るが、だからと言ってその性差による特徴を持って女性の目で見ることが有効とだけ考えたのではないようだ。この作品に登場する女性たちは紫式部の分身であり、光源氏は狂言回しに過ぎないとする。瀬戸内の現代訳の最終巻を読んだとき、私も薫と匂宮が主人公と言うよりも浮舟の物語では、と考えてはいたのだが、すべての女性がそうとまでは思わなかった。先日読み終わったばかりではあるが、また読み直したくなる。2019/01/08

乱読家 護る会支持!

4
娘、妻、娼(恋人)、母という役割の中で生きてゆくことを選ばざるを得なかった平安時代の女性たち。源氏物語は、紫式部の中にある様々な人格を物語に登場させ、最後は個として自立していく女性を描いたもの。平安時代の女性のライフキャリアを描いた物語と読みかえてもいいのかもしれない。 読みごたえのある一冊。オススメします。2024/12/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11047153
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。

最近チェックした商品