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岩波現代文庫
朝鮮人BC級戦犯の記録

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  • サイズ 文庫判/ページ数 400p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006003296
  • NDC分類 329.67
  • Cコード C0121

出版社内容情報

日本の戦争責任の末端を担って戦犯に問われた朝鮮人148人。その多くが監視要員として過ごした各地の俘虜収容所で、何が起こっていたのか。

内容説明

日本の戦争責任の末端を担って戦犯に問われた朝鮮人一四八人(うち二三人処刑)。その多くが監視員であったタイ、マレーシア、ジャワの俘虜収容所で、一体何が起こっていたのか。収容所の実態、監視員になった経緯、戦犯裁判での扱い、現在まで続く国家補償を要求する闘い等について、丹念に聞き取った証言と基本資料に基づいて記したドキュメント。文庫化にあたって大幅に加筆。

目次

1 俘虜収容所の監視員として(タイ俘虜収容所―死の泰緬鉄道;マレー俘虜収容所―石油基地パレンバン;ジャワ俘虜収容所―“地上天国”のなかの地獄)
2 朝鮮人軍属と俘虜収容所(なぜ朝鮮人が監視員になったのか;俘虜収容所の機構と実態;志願が徴用か)
3 戦争犯罪裁判と朝鮮人軍属(戦争犯罪とは何か;李鶴来さんの場合―シンガポールのオーストラリア法廷;愈東祚さん・鄭殷錫さんの場合―シンガポールの英国法廷;崔善〓(か)さんの場合―バタビアのオランダ(蘭印)法廷)
4 戦争責任と戦後責任(サンフランシスコ平和条約と朝鮮人戦犯;生活との闘い;未済の戦争責任)
5 植民地責任への問いかけ

著者等紹介

内海愛子[ウツミアイコ]
1941年生まれ。恵泉女学園大学名誉教授、大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

まえぞう

17
軍属として東南アジアで捕虜の監視にあたり、戦後の軍事裁判で戦犯とされた朝鮮人の歩みが、オーラル・ヒストリーの手法も交えながら語られます。日本人の犯罪として裁かれ、服役し、国籍を離脱した講和条約後も犯罪時に日本国籍だったとして勾留され、一方で日本国籍を持たないという理由で同じ立場にある日本人が受ける補償の対象にされない理不尽。これを学ぶ生徒たちは何を感じるだろうか。2023/08/16

Satoshi

12
令和となっては忘れ去られた戦争犠牲者。日本人として太平洋戦争に従軍し、軍の命令の中で捕虜虐待をし、日本人と同様に裁かれた。しかしながら、日本人と同じ恩給を受けることもできず、日韓条約締結以降は解決済みとして補償も受けられない。完全に被害者個人を無視した方法で戦後解決を図ったことは根本的な解決にならず、韓国の市民団体による糾弾は続く。この状況を鑑みれば、日韓関係の難しさを簡単に語ることはできないし、一部の極右の論評が非人道的であることが分かる。2023/06/04

CTC

11
1985年単行本初版。15年7月岩波現代文庫。「本書が刊行されてから三〇年あまりが経過した。問題が解決していれば本書を再び世に問う必要もなかった(後略)」文庫あとがきが重い。本書は先の大戦において、占領下の英蘭領で捕虜収容所監視員を務めた事によって、BC級戦犯となった朝鮮人軍属(徴用・志願双方あり)の事例を記す。捕虜虐待事由の多くは食糧配給量や使役基準といった軍の方針そのものに起因したろう。日本人として徴用され、戦後拘束され、補償も一切受けられなかった方々を前に、大戦の大義を唱える輩は何を語れるのだろう。2016/02/22

BLACK無糖好き

10
戦争犯罪裁判・朝鮮人軍属・国家補償の重いテーマ。太平洋戦争下の俘虜収容所で監視員を務めた植民地支配下の朝鮮人。終戦後彼等も当時は日本人だったとしてBC級戦犯とされる。しかし戦後補償については既に日本人ではないとされ、まともな補償も受けられない。法的な問題云々よりも、「一視同仁」として朝鮮人も「皇国臣民」に仕立て上げたのならば最後まで尻拭いするのが筋ではなかろうか? 国が道義上の責任を果たしてきたようには全く見えない。「美しい国 日本」などと寝言垂れてたのがいたが、どこが美しいのか? 情けない国家。2016/05/06

みなみ

4
過酷な鉱山での強制労働に駆り出されるか軍属に志願するか、といったら後者を選んでも誰も責められまい。それは志願ではあるが強制といってさしつかえない。その朝鮮半島出身の軍属が、捕虜の扱いの悪さではずば抜けた日本軍の最前線で働く。責任を押しつけられて戦犯にされ、A級戦犯はお国の事情で釈放され総理大臣にまでなっているのに、朝鮮人の戦犯は巣鴨から出られない。こんな理不尽な話があるだろうか。日本は戦争責任から目を背けてはいけない。こういう話を「捏造」と貶めてはいけない。2017/07/03

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