岩波現代文庫
生命の政治学―福祉国家・エコロジー・生命倫理

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  • サイズ 文庫判/ページ数 315p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006003241
  • NDC分類 364
  • Cコード C0136

内容説明

従来、別個に論じられてきた、福祉国家・社会保障、環境政策・エコロジー、生命科学・生命倫理上の諸課題を、その原理に遡りつつ統合的に考察することで、生命/生活を貫く新しい人間理解と社会構想を提示する。グローバルな視座と、サイエンスとケアを媒介する臨床的次元も織り込み、「定常型社会」の構想を確かに進める。

目次

第1部 社会システム(生命科学の政治学―「生命倫理」を超えて;福祉国家の接近と多様化―「持続可能な福祉国家/福祉社会」へ)
第2部 ケア/生命(ケアをめぐるクロス・オーバー―サイエンスとケアの接点;自然のスピリチュアリティ―エコロジーの再定義)
第3部 生命の政治学(生命の政治学のために;定常型社会へ)

著者等紹介

広井良典[ヒロイヨシノリ]
1961年岡山県生まれ。東京大学教養学部卒(科学史・科学哲学専攻)、同大学院総合文化研究科修士課程修了。現在千葉大学法政経学部教授。この間マサチューセッツ工科大学(MIT)客員研究員。専攻は公共政策及び科学哲学。著書に『日本の社会保障』(岩波新書、エコノミスト賞受賞)、『定常型社会』(岩波新書)、『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書、大佛次郎論壇賞受賞)、『人口減少社会という希望』(朝日新聞出版)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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壱萬弐仟縁

26
2003年初出。生命とは生活を含む。本来一体的なもの、というのが著者のスタンス(ⅳ頁)。重要箇所はゴシ太。患者に対する心理的・社会的サポートは、固有価値とともに、疾病そのものの治癒過程に影響(130頁)。重要なことであるが、自然崇拝(自然のスピリチュアリティ)は日本に限らず、多くの地域や文化にかなり普遍的に見られる(162頁)。冷戦とは、至上主義とマルクシズムという、ヨーロッパ発祥思想が、米ソの後発途上国に飛び火、極端な形をとったシステムの対立(204頁)。2015/10/10

nnnともろー

4
初版は2003年。著者の議論は益々有効性を増している。現政権は真逆の方向へ進もうとしている。2018/01/08

やす

2
生命科学に対する態度が右派と左派で結果的に同じになる。どちらも遺伝子工学などには否定的。 Lifeを中心として欧米と日本の政治について考察し、これからどうしていけばいいか筆者の意見が述べられている。とにかく持続可能な社会を目指していかなければならない。旧社会主義国についても触れてほしかった。2018/11/16

まつゆう

2
ここの感想で本の罵倒はしないよう努めているが、少々この本は読んでいて苦しい。いわゆる日本で言う所の(筆者の区分で言えば社会民主主義でもよろしいが)リベラルの意見を集約するとこのような感じといった典型例。なかなか面白いこと(福祉国家と大きな国家が経済成長柵を是としている点で歩を一にしている点、生命観など)を言っている所もあるのだが…。2015/04/19

dreamer

0
広井良典の本にはいいようもなく惹きつけられる。とにかく一貫して魅力的な主張とメッセージ。ただの理想論じゃなく手立てに実現性が力強く感じられて頼もしい。広井さんの著書で初めて出会った本だが、常に頭の中に留まっているし、本棚に並べていつでも立ち返りたいと思わせてくれる世界観がある。2015/10/01

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