出版社内容情報
中国文明の始まりから漢魏の時代にいたる思想の流れを、一五のテーマで語る概説書。人間の多様なあり方に相応する思想の営みの多面的な姿の一つ一つに目を向ける。孔子、墨家、孟子、荘子、老子、荀子、諸子百家、司馬遷、董仲舒……。陰陽思想、黄老思想、経学、讖緯思想、生成論……。年表のほか詳細な参考文献と索引付き。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Toshiaki Konishi
1
荀子の性悪説と孟子の性善説を知りたかったので読んでみた。哲学的素養をもっていない自分には表面的な理解が精一杯でした。 儒教の尚古主義が国家の発展を阻害している事や道教の個人主義が今の支那に薄まって引き継がれていることが良く分かった。 古代中国思想の入門書として、古代中国史や古代中国小説を読む自分にとって大変参考になる。 2014/10/25
さとうしん
0
放送大学の教材で30年前の著作とあって基本的にはオーソドックスな概説書だが、最後の「人間史のこと」で、後漢末から六朝にかけての『漢紀』などの帝紀と「先賢伝」「耆旧伝」をそれぞれ紀伝体史書から本紀・列伝を単行させたものとし、『帝王世紀』『古史考』を帝紀の範囲を太古から当代までを広げた通史であるとしたうえで、『日本書紀』をその帝紀・通史の体裁を踏襲したものとし、『日本書紀』の編纂を中国史学史の文脈の中に位置づけている点が面白い。2014/09/30