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岩波現代文庫
ロック『市民政府論』を読む

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  • サイズ 文庫判/ページ数 320p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006003043
  • NDC分類 311
  • Cコード C0131

内容説明

ひろく政治・憲法構造を解く鍵はジョン・ロック(一六三二‐一七〇四)の読み方にある。市民政治理論の古典的形成者であったロックは、ヨーロッパの“近代”理論を準備し、また日本国憲法にまで影響を与えた。ロック思想の普遍性を明らかにした本書は、政治学・政治思想史の格好の道案内であり、“現代”とは何かという問いにも答える。

目次

第1章 歴史のなかのロック
第2章 『市民政府論』の座標
第3章 政治理論における“近代”
第4章 市民社会のイメージ
第5章 自由の政治構想
第6章 政治理論の“現代”へ

著者等紹介

松下圭一[マツシタケイイチ]
1929年生まれ。法政大学名誉教授。政治学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬参仟縁

23
1987年初出。古典とは、人々に自由に読ませる許容量のおおい本(3頁)。厳しい批判にも耐えうる(4頁)。ロックには政府論はあるが、国家論がない(10頁)。世界共通文化と地域個性文化の緊張のなかで、現代日本文化が再編される(28頁)。34歳のロックは、1666年、アシュリー卿の主治医兼家庭教師としてロンドン邸へ(44頁)。人員主権型の社会の論理による、議会主権型の議会の弁証がロックの解決策(63頁~)。 2015/11/16

masabi

14
ロック「市民政府論」を読み解きながら、著作の理論を現代政治に活かすための提言までをも行う射程の広い本である。その根幹は官僚主導による国家政治から市民自治へと転換することにある。ロックの著作の理論は政府正統論、政府機構論、革命権の肯定による変動論の3点からなる。市民自治を実現するには前提として、社会と政府の区別、市民文化の成熟、中間項の多様化が必要となるが、そのいずれもまだ十分と言えるレベルにはなっていないのではないか。2016/02/14

Francis

13
著者はどちらかと言えば地方自治の問題に取り組む市民活動家に支持されていた「リベラル系」の政治学者…と言えば良いだろうか。松下さんの著作は数作読んだが他の「リベラル系」の学者やジャーナリストとはかなり毛色が異なる。それは本書で英米法的、英米政治学的視点から論旨が展開されている事で分かるであろう。私も本書を読んでこれが本来あるべき「市民政府論」の解釈なのだろうと思う。だた松下さんは「シクミ」「トリクメナイ」とわざわざカタカナで書くなど謎の言葉が多く、それがいまいち人気のなかった理由の一つなのかもしれない。2025/08/03

うえ

6
某大学の除籍本。2014年刊。確かに除籍されるだろと思えるくらい中身は古い。原著は84年刊。ロック『統治二論』の後半だけ『市民政府論』として出回る奇妙な日本の産物。国家なき共同体像をロックの中身に読み込むが、ラスレットやポーコックなどの成果は全く活かされず。戦後安保や市民運動からロックを読み込むならそれも当然か。『ロック政治論集』などを読むと、危険な思想家としてのロックにも気づかされ思想の面白さを感じるが、本書のロックは無味乾燥化されたロック。日本の民主主義観の不可解さはロック『デモクラシイの本質』参照2016/03/18

Tomozuki Kibe

4
ロックの思想を解析。日本の官僚制国家に対してロックの目指す議会主義の立場からずばずば。また日本は「王権神授」の国であるともずけずけ。「抵抗権」「革命権」の違いにも。 ロックの話といいながら、社会主義の歴史にも結構切り込んでくれている。工業化≒仕事の画一化によって万国の労働者は団結できるんですね2025/06/08

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