出版社内容情報
心理療法にとって必要と思われるイメージ、身体性、人間関係、個性との関わりなど様々な事柄について解説した入門書。カウンセラーをめざす人にはもちろん、教育者など心の問題に携わるすべての人に役立つ本。
内容説明
心理療法の本質とは何か。第一人者である著者が、イメージ、身体性、イニシエーション、物語、因果律、人間関係、個性との関わりなど、心理療法において必要と思われる様々な事柄のエッセンスを、豊富な事例を用いてわかりやすく解説する。心理療法家をこころざす学生にはもちろん、教育、介護など心の問題にたずさわるすべての人に役立つ入門書。最晩年の講演「こもりと夢」を併録。
目次
第1章 イメージと心理療法
第2章 心理療法における身体性
第3章 イニシエーションと現代
第4章 「物語る」ことの意義
第5章 こころの現象と因果律
第6章 心理療法における転移/逆転移
第7章 心理療法場面における個性
第8章 個人と社会
講演 こもりと夢―現代人の処方箋
著者等紹介
河合隼雄[カワイハヤオ]
1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。1962年よりユング研究所に留学、ユング派分析家の資格取得。京都大学教授、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官を歴任。2007年7月逝去
河合俊雄[カワイトシオ]
1957年奈良県生まれ。京都大学教育学研究科博士課程修了。ユング派分析家資格取得。京都大学こころの未来研究センター教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
11
「告げる」は垂直的であり、「話す」は水平的であると著者はいう。科学や宗教は相手を対象に「切り」分けて「告げる」が、日常の人間は相手と自分をつなぐようにして「話す」。著者は、「話す」より主体的・垂直的だが「告げる」より水平的で関係を作る要素が強い「語る」の中間性に注目する。本書は、自然から乖離した言語的意識を、生きた身体の属する自然に関係させてきたイメージと「語り」を中心に、その自律性、具象性、集約性(多義性)、直接性、象徴性、創造性、心的エネルギーの運搬の7要素に分けて、心理療法における臨床例を検討する。2022/12/07
マル
9
岩波現代文庫の〈心理療法〉コレクション6冊の中の最終巻です。題名には入門とついていますが、これまでの5冊を踏襲したような感じなので、やはり最初から読んだほうが理解しやすいのではないかなと思います。良い小説や映画、演劇などを読んだり観たりした後に、心が洗われるような生まれ変わるような気分になる時があると思うのですが、河合先生の著書はそういう芸術作品ではないのですが、そういうものの話題が豊富なため、それらを鑑賞した後のような読後感を得られる時があります!本書の最後に「こもりと夢」という題の講演の記録が(続2015/12/23
ゆ
1
約二年ぶりに再読。前回読んだときより臨床心理学の知識が増えていたので、より深い読みができるようになって面白かった。理論よりも治療者の姿勢を厳しすぎるくらいに重要視する本書は、入門といいつつ定期的に読み直して自己チェックするのに適していそう。現代の科学主義に飲み込まれるのを防いでくれるような文章がたくさんある。ロジャーズの著作を読んでいるときに近い読み心地。2025/03/31
ゅ
1
本書全体が素晴らしく、転移の部分はとくに感動しました 表層的な(精神分析への抵抗がある)関係ほど強い陽性転移をひき起こし、それが行動的な結合への強い渇望となるけれど、深い転移であるほど「夢やイメージや物語として表現」され実際の行動は必要なくなる、その深さが治療には必要だとありました ここに治療を超えた人間関係の完成系を見出すような気がします2024/08/22
とむぐりーん
1
「物語を生きる」それは一人ひとりすべて異なり、ひとつとして同じものはない、各人の生きている軌跡そのものが物語であり、生きることによって物語を創造している、という記述に出会い、とても深い安堵を覚えた。 引きこもりの心理を書いた講演記録の「こもりと夢」も洞察力の深さを感じて感銘した。 2023/01/04




