岩波現代文庫
哲学と反哲学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 283p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001278
  • NDC分類 104
  • Cコード C0110

出版社内容情報

哲学は西洋文化を可能にした特異な知の様式である.哲学の前提を掘り返し,検討に付そうとする現代哲学の営みを反哲学とよぶ.伝統的な存在論の解体を意図したハイデガーを柱に,哲学の本質を反哲学から逆照射する現代哲学入門.

内容説明

哲学は、巨大な技術文明を生む西洋文化を可能にした特異な知の様式である。現代哲学は哲学を乗り越え可能な歴史概念とみなし、その前提を掘り返して検討に付そうとする。この思想的営みを反哲学とよぶ。ソクラテス以降の伝統的な存在論を解体しようとしたハイデガーを柱に、哲学の本質を反哲学から逆照射する現代哲学論。

目次

1 哲学と反哲学
2 世界と自然―現象学的世界概念の系譜
3 身体・感覚・精神
4 形而上学としての芸術
4 ハイデガーと「形而上学」の歴史
4 ハイデガーとライプニッツ覚え書

著者等紹介

木田元[キダゲン]
1928年山形県生まれ。哲学者。中央大学名誉教授。東北大学文学部哲学科卒業
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koji

15
10年ぶりに、木田元さんの著作を少しずつ読み直しています。木田さんは、ハイデガーの研究者ですが、そこから伝統的な存在論を解体し、フィロソフィー(西洋哲学)そのものをひっくり返す「反哲学」を試みます。日本人にとって事実存在と本質存在の二元論、超自然的原理等は理解しにくい概念ですが、反哲学としてのハイデガーの始源的存在を「もののあわれ」と結びつけた思考様式は何となく馴染みやすく感じます。またダーウィニズム、ライプニッツ、マッハ、ニーチェの反哲学との関連性には知的興奮を覚えました。もっと掘り下げていきたいですね2020/09/12

Gokkey

9
すっかり著者のファンになったので、もう少し教えを請おうと思う。本書は論文集であり、今まで読んできた教科書的な書籍に比して歯応えが有る内容となっているが、基本的な「反」哲学の考え方は変わらない。著者の大きな特徴は思想の経時的な流れを意識して伝える所にある(勿論専門家の中ではこの流れの意見が割れる箇所もあるのだろう)。従って、私のような門外漢のアタマの中にある独立した知識を繋いでくれ、新たな読書課題を炙り出す。本書ではユクスキュル~シェーラー~メルロ=ポンティ、ニーチェ~ハイデガー、そしてエルンストマッハ。2019/12/29

マープル

8
学生時代、指導教官の助教授にこの本を買ったと言ったところ、「読まないほうがいいよ」と言われたいわくつきの一冊(当時は岩波現代文庫ではなく、岩波同時代ライブラリーだった)。もう20年も前のことだし、そろそろその禁を破ってもいいかと手に取った。内容的には、木田氏の「反哲学」史観を基礎とする論文集。専門的書籍に寄稿されたものがほとんどなので、一般向けに書かれたものより読みこなすのはハードだが、木田氏ならではのリーダブルさは健在。2014/10/13

masawo

6
大別すると形而上学と現象学の二つのジャンルの論文が収録されているが、いずれも応用編的内容であり、全くもって初心者向けではない一冊。ただ、ハイデガーによる形而上学の歴史の流れについては、ぼんやりとではあるがイメージできるようになった気がする。2020/02/13

ゆきだるま

4
反形而上学的な存在論を根底に、章ごとに独立のテーマが論じられる。ハイデガーを主として、ニーチェ、メルロ=ポンティ、フッサール、ウィトゲンシュタインなど、関連する思想に触れながら展開される。各章のタイトル→反哲学/世界と自然/身体・感覚・精神/形而上学としての芸術/ハイデガーと「形而上学」の歴史/ハイデガーとライプニッツ(覚え書)2023/04/22

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