出版社内容情報
正方形の盤面上で白黒の石によって競われる囲碁は,さまざまなシンボリズムの源泉となってきた.童子や老賢者が囲碁を打つ民話は,文化の深層へとわれわれを導く.豊かな中国の精神世界へと誘う歴史人類学の代表作.解説=鎌田東二
内容説明
正方形の盤面上で黒白の石によって競われる囲碁は、壮大深遠なシンボリズムを蔵する宇宙論的世界である。碁盤は大地の隠喩であり、四隅は四季をあらわし、三六一目は一年に相当する。童子や老賢者が碁に興じる民話は、文化の深層へとわれわれを誘っていく。囲碁を入口にして中国の豊かな精神世界を旅する歴史人類学の代表作。
目次
第1章 囲碁の魔術性
第2章 碁盤の空間的象徴性
第3章 爛柯考
第4章 老賢者
第5章 少年と小鳥
第6章 石室の宇宙論
第7章 桃と棗の時間論
第8章 碁盤と碁石の時間的象徴性
著者等紹介
大室幹雄[オオムロミキオ]
1937年東京に生まれ、早稲田大学・東京大学に学ぶ。専攻は歴史人類学。千葉大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
みかん。
5
          
            老子に代表される老荘思想は老いた人は嬰児に戻っていく、という幼童回帰の考え方がありますね。2024/12/12
          
        みかん。
3
          
            東洋の伝統と西洋の伝統を混ぜるのは概ね難しいかと。2025/03/28
          
        kaizen@名古屋de朝活読書会
3
          
            民話学という題には少し違和感があります。  いろいろな歴史書や、文学を引用していますので、「囲碁の歴史と文学」の方がぴたっとくる感じです。   囲碁好きの方なら、過去の歴史や文学をふりかえりながら、読むと、楽しみがまた増えると思われます。2009/05/19
          
        いちはじめ
3
          
            囲碁という部分に過大に期待を持つと肩透かしかも。2004/06/27
          
        みかん。
2
          
            老賢者の「強力な眩惑の力」。その出会った個体が意識化と自己識別により魔術めいた像と自身を同一視する危険から逃れる術を知らねばならないのだ。2024/11/29
          
        

              
              

