出版社内容情報
ウェーバーは近代の合理化が審美的宗教やナショナリズム,原理主義を甦らせるというアポリアに立ち向かった.本書は近代的な知の問題系と現代アメリカニズムの問題をウェーバーを手がかりに読み解いていく試みである.
内容説明
ウェーバーの学問の今日的意味とは何か。彼は歴史=社会学的研究を通して、近代の合理化が系統的に価値を排除しつつ、イデオロギー的な寓話として審美的宗教やナショナリズム、原理主義を甦らせるというアポリアに立ち向かった。本書は合理化と近代的な知の問題系を明らかにするとともに、現代アメリカニズムの問題をウェーバーを手がかりに読み解いていこうとする試みである。
目次
序章 いまなぜウェーバーか
第1章 西洋的合理化の起源―「古代ユダヤ教」に即して(宗教史的「脱魔術化」;「事象化」と「同胞愛」 ほか)
第2章 西洋的合理化と近代の時代診断―「近代西欧」の意味像(「高度資本主義」と「時代診断」;神中心の世界像と事象化の精神 ほか)
第3章 合理化と近代的な知のアポリア(「職業としての学問」をめぐる相克;学問の危機と危機の学問 ほか)
第4章 アメリカニズムの倫理と「帝国」の精神(ロシアとアメリカ;アメリカ体験と「共和的な宗教」 ほか)
著者等紹介
姜尚中[カンサンジュン]
1950年熊本県に生まれる。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。政治学・政治思想史専攻。東京大学社会情報研究所教授
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感想・レビュー
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ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き
3
ある程度事前知識のあるプロ倫絡みの箇所は非常に面白く刺激的に感じた。ただ、元々学術書であるから仕方がないとは言え、それ以外の学問論の部分でフッサールなどが出て来るところはチンプンカンプンで、正直読むのも辛かったが、全体的に興味深く、頑張って読んだ甲斐があった。付箋もいっぱい付けたので、後で色々と読み返したり、ウェーバーの翻訳(プロ倫)に直接当たろうと思っている。2012/06/11
YN
0
ウェーバーを通して近代をみる。2016/01/05
ぺ
0
掴み所がない上に難解。2章で断念。ウェーバーの著作をある程度読み、近代思想に慣れ親しんだ上で読むべきなのかもしれない。2014/08/14
ステビア
0
ゼミ。上級者向けかも?2013/01/20