岩波現代文庫
科学の社会史〈上〉戦争と科学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 255p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000936
  • NDC分類 402.1
  • Cコード C0140

出版社内容情報

一体,いかなる歴史的・社会的条件が,日本に近代科学を存立させ,展開させたのか.明治より戦後の高度成長期までを通観し,日本における科学の社会的存在構造を究明する.いまもなお,その早世が惜しまれる科学史家の主著.(全2冊).

内容説明

一体、いかなる歴史的・社会的条件が、日本に近代科学を存立させ、展開させたのか。本書は、その早世がいまも惜しまれる科学史家の主要著作である。上巻では、総力戦体制へと向かう戦争の時代に焦点をあわせる。軍国主義・超国家主義の台頭と強化が、科学研究に発展の契機を与え、その成長の基礎を築いたことを明らかにする。

目次

序章 社会のなかの科学
第1章 日本における近代科学の基礎工事
第2章 科学の制度化
第3章 第一次大戦のインパクト
第4章 資源局と日本学術振興会
第5章 総力戦体制へ向けて
第6章 科学技術新体制

著者等紹介

広重徹[ヒロシゲテツ]
1928年生まれ。京都大学理学部物理学科卒業。日本大学理工学部教授。専攻は科学史。1975年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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うえ

8
開学早々の東京大学では、外国人教師の教育だけでなく、研究も盛んに行われたという。ナウマンの地質構造論、モースの貝塚、メンデルホールの重力測定、ユーイングらの地震学など。ユーイングは帰国後、磁気履歴を発見。弟子達により磁気学は日本物理学のお家芸になる。実は19世紀半ばとは欧州で大学教授の任務は研究である、という理念が定着し始めた時期だという。その頃大学をおえたばかりの教師が多かったため。そして留学から帰ってきた鴎外なり漱石なりに(建前上は)引き継がれるわけかな。2019/06/08

Schuhschnabel

4
戦前において、科学者が戦争に協力する過程を記述した本。科学と軍事の関係が問われている昨今であるが、もはやこの問題は科学者集団の中で完結する問題ではないということを自覚しなければならない。個人的には、それまで国境が存在しなかった科学が国家の制度に組み込まれることで、逆に国際的な科学者の団体が誕生が促されたという指摘はなるほどと思った。2017/02/09

aeg55

3
明治維新から太平洋戦争位までの日本の科学の通史。 全編に渡り凄まじい。科学の振興を目指し様々な取り組みや計画を立てるも、カネが集まらず頓挫。結局、取り組みが回ったのは、戦争。 一般的に、戦争が科学を進歩させる、などと言われるが、純粋科学研究などは、収益が出るわけもなく採算が取れるわけでもない。戦争の為、お国の為と言う大義名分により資金、金繰りが良くなり、進歩するのだろう。しかし、そこは日本、その様な統制下でもお粗末であった事は見逃せない。 まだまだ下巻が残っている(かなりキツい)。2020/02/27

kazutox

1
中公新書「現代科学論の名著」に載っていたので読んでみました。1973年刊、文庫版は2002年、現在は絶版状態です。内容は、日本の科学と政府の政策(予算)について詳述したもので、上巻は明治維新から太平洋戦争開戦までです。2022/04/06

陽香

0
20021213

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