岩波現代文庫
軍記物語の世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 297p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000776
  • NDC分類 913.43
  • Cコード C0195

出版社内容情報

歴史の大転換期を写した軍記は,成立当初の中世から現代まで人々を魅了してやまない.英雄の造型,合戦の写実性,時代への批評性,作品としての構想力等,軍記物語の全体像を,『将門記』『平家物語』『太平記』を中心に展望する.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シャル

6
武家の隆盛とともに転換する歴史。そんな時代の戦争と人々の生きざまや時代を見つめる目、物語と記録の狭間の文学について、原点とも言える『将門記』最高峰の『平家物語』それを踏まえての『太平記』を中心に述べられた一冊。軍記物語の中に描かれる争乱の世界と、軍記物語が描かれることになった現実の世界。それらを切り離せない文明的にも文学的にも未成熟な時代だったからこそ成立した物語が見える。権力に対する反逆の英雄譚や、勝者と敗者の別れる戦争の末路、そしてその周囲の人々。そこにあるのはまさにその時代を生きた人々の息吹である。2015/02/14

ほたぴょん

2
元は朝日選書の1冊で、一般読者向けに軍記物語の魅力を語っている。主眼とされているのは「軍記物語の魅力とはどんなところにあるのか」ということで、公文書的な戦争記録とも中古の説話物語とも違う文学形態として、軍記物語がどのようなあり方をしているのか、「平家物語」「太平記」「将門記」を軸に、概説的に説いている。学術書ではないので、著者の経験をもとにかなり思い切った書き方がされていると思うが、たしかにわかりやすい。神話とはまた違う英雄説話としてのあり方、口承を経ることによる大衆的想像力の世界のあり方に興味が湧く。2011/06/01

志村真幸

0
 1978年に朝日選書として出たものの復刊。  著者は戦中~80年代にかけて活躍した中世文学の研究者。  本書は、『平家物語』『太平記』『将門記』の3作を中心に取り上げ、軍記物語の魅力を語ったもの。印象的なシーンを取り上げ、それらのもつ意味を作品全体の特徴や方向性とからめて論じていく。特に人物造形と描き方に注目し、軍記物語の成立・発展を俯瞰しようとしている。  軍記物語における叙情性や哀しみがよく伝わってくる。  軍記物語解釈のひとつの方向性をつくったひとであり、一読の価値があるだろう。2018/11/12

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