出版社内容情報
文学と芸術の歴史は作家と作品の歴史であるという見方に対し,著者は,作品の生命はその時代・環境に生きる読者による作品の現実化・再生にこそあると主張し,「受容の歴史」の重要性を説く.論争の的となった傑作批評の新編集版.
内容説明
従来、文学と芸術の歴史とは作家と作品の歴史であるとされてきた。このような見方に対して、著者は、作品の生命は作品そのもののなかにあるのではなく、その時代・環境に生きる読者による作品の現実化・再生にこそあると問題を提起し、「受容の歴史」の重要性を説く。ドイツでの激しい論争の火ぶたを切った表題論文の他、新編集により二論文を収め、全面的に改訳した。
目次
1 挑発としての文学史(文学史は歴史でありうるか;文学史における歴史と美学の乖離;マルクス主義文学史観の問題点と限界 ほか)
2 芸術時代の終焉―ハイネ、ユゴーおよびスタンダールにおける文学革命の諸相(スタンダールの詩的革命;ハイネの宣言「芸術時代の終焉」とヘーゲルの命題「芸術の終焉」;ユゴーの文学革命 ほか)
3 受容理論―その知られざる前史を顧みて(「受容」概念はなぜ必要か;解釈学と受容の関係;中世における受容の考え方 ほか)
著者等紹介
ヤウス,H.R.[ヤウス,H.R.][Jauss,H.R.]
1921‐97年。66‐87年コンスタンツ大学教授。『挑発としての文学史』により独自の受容美学を提唱し論争の的となる
轡田収[クツワダオサム]
1934年生まれ。57年東京大学卒業。学習院大学教授
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