出版社内容情報
中国全土をゆるがした文化大革命－その歴史的教訓は何か．著者は改革開放政策によって生じた社会のゆがみを文革が提起した諸課題と関連させてとらえ，今後民主化など中国社会主義の行方をめぐって再燃する時が来ると論ずる．
内容説明
一九六六年から七六年まで中国全土をゆるがした文化大革命。現在文革は全否定されているが、その歴史的教訓は何か。著者は毛沢東の文革発動の動機を単なる権力闘争と見ず、社会主義理念をめぐる対立に由来すると見なす。さらにその後の改革開放政策によって生じた社会のゆがみを、文革が提起しながら未決着のまま残された諸課題と関連されてとらえ、それが今後中国社会主義の行方、特に民主化をめぐって再燃する時が来ると論ずる。
目次
文化大革命をどう見るか
第１部 中国文化大革命―「出身血統主義」批判（ある「反革命分子」の死；紅衛兵運動と「血統主義原理」；血統主義批判派の台頭；上海コミューンと広州奪権運動；広州軍区の弾圧と奪権の挫折；「〓案材料制度」の問題性）
第２部 中国型社会主義の方向性（文革を全面否定した六中全会の「歴史決議」；コミューン主義的理念の挫折―中国型社会主義のゆくえ；民主化 暗転の構図―政治的暴力と四つの世代）
著者等紹介
加々美光行［カガミミツユキ］
１９４４年大阪府に生まれる。１９６７年東京大学文学部社会学科卒業。アジア経済研究所研究員を経て現在愛知大学現代中国学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
