岩波現代文庫<br> マルティン・ハイデガー

岩波現代文庫
マルティン・ハイデガー

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  • サイズ 文庫判/ページ数 309p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006000271
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C0110

出版社内容情報

カント以後最大の哲学者か,言葉の神秘主義者か.ハイデガー特有の語法の秘密をあばき,『存在と時間』の核心に光を当ててナチズム関与との関係や思想の現代的意義を考察.近年の論争も踏まえたハイデガー入門の決定版.

内容説明

カント以後最大の哲学者か、読む者を呪縛する言葉の神秘主義者か。極端に評価の分かれるハイデガー。文芸批評家スタイナーは、ハイデガー特有の語法の秘密をあばき、『存在と時間』の核心に光を当てて主著とナチズム関与との関係を読み解く。思想の現代的意義を検討するとともに、近年の論争も踏まえたハイデガー入門の決定版。

目次

1 いくつかの基本的用語
2 存在と時間
3 ハイデガーの現在

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Gokkey

10
ハイデガーの問いが如何に壮大かをあらためて認識できた一冊。特に語源から存在に関する思考に切り込んでいく解説は見事。「存在とは何か」という客体として存在を形而上学的に捉えるのではなく、「存在するとはどう在ることか」という問いこそがハイデガーの問いなのだ。換言すればexistenceという名詞ではなく、be動詞に対する哲学である。ex-ists=「外にーある」、つまり客体である。一方で「ーである」be動詞は世界内存在としての了解と理解できる。いやはや畏れ入る。2020/04/15

フリウリ

9
古書店で入手、再読。最後の「ハイデガーの現在」の章が気になる。スタイナーが本書を書いた理由には、英米の哲学者によるハイデガー軽視への反論があり、例えばウィトゲンシュタインとの共通点を述べたりもしている。しかしさらにその内奥には、ハイデガーほど詩を深く読解した人は誰もいない(しばしば逸脱はあるにせよ)、というハイデガーへの評価がある。ほかならぬ、あのスタイナーが、そう言うのである。スタイナーは、「存在」を開くのは言葉である、という後期ハイデガーの考えを、共有していたかもしれない。名著です。92024/02/20

かんやん

9
真理というものが、覆いをかけられてあり、思考の辛抱強い歩みの果てに、森の奥深くの間伐地に光が漏れてくるように、明るみに出る、或いは自ずと光輝く。それは源泉、原初的なるものへの帰郷でもある。存在とは、それがあるところのものである。目眩のするようなトートロジーと秘教的修辞法。高邁なる精神の厳粛なる思考は、どうも自分には馴染まない。ナチスとの関わりも、世間知らずで政治にウブな大哲学者が、足元をすくわれたように見える。「存在と時間」とナチスのイデオロギーの共通点を探る著者の分析は、スリリングであった。2016/07/11

さえきかずひこ

4
ハイデガーの思想を少しずつ考えるためにとても役立つ一冊。彼の基礎的存在論が、いったい何をめぐって述べられたのか。哲学史家、神学者、大学総長といったハイデガーの多面性に目を配り、論じられている。2013/09/22

悠空冥海

2
ハイデガー信奉者にも、否定者にも書けないような本。神学や同時代との関連を知ることが出来る。用語解説が先にあり、かつそれが様々な言語的源を見やりながら行われている点など、他の入門書にはない魅力がある。

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