出版社内容情報
一緒に本作りの歴史を調べ、印刷、製本の現場を訪ねてみませんか。美しく、丈夫で読みやすい本を作るためにどんな工夫がされているのか……。印刷業界のデジタル移行期に刊行された初版から約20年。大きな変革を支えた技術者たちの声から当時を振り返りつつ、今なお引き継がれている本作りへのこだわりを紹介します。
内容説明
グーテンベルクの時代から現在に至るまで、多くの人たちがどのように、読みやすく、美しく、丈夫で扱いやすい本をつくるために努力を続けているか…。本づくりの歴史を調べ、印刷と製本の現場を知ると、本を読む喜びがより一層深くなるかもしれません。2003年の初版刊行から約20年、印刷技術のデジタル革命も振り返ります。
目次
1 本と印刷の歴史をたどる―印刷博物館を訪ねて(本を生み出したグーテンベルクの智恵;十六世紀―出版の黄金時代 ほか)
2 二〇〇三年当時の印刷―精興社印刷工場を訪ねて(活版印刷を知る;ポスト活版時代の到来 ほか)
3 二〇〇三年当時の製本の仕事―牧製本工場見学(日本の製本;断裁が勝負 ほか)
二〇〇三年から見た「本の未来」
4 あれから二〇年、現在の本づくり(DTPの時代を迎えて;精興社のデジタル移行 ほか)
「本の未来」再び
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
61
偶々訪れた隣の市の図書館で手に取り、本に関する本というテーマに合致していたので、書店で購入。多分大方の読書体験とは真逆なコースかも知れないが、本書の最後で言われる「モノとしての本の魅力」に取り憑かれている身としては、よくある話。ただし本書がそれ程魅力的であるかどうかは別。前半でグーテンベルクに始まる西洋印刷術の歴史と、人類社会への影響を大掴みに記し、後半では2003年当時の精興社印刷工場と牧製本工場を取材し、その詳しいルポという形をとる。印刷、製本と言った本作りの現場においても、日進月歩の技術革新の波が押2025/06/19
よっち
26
印刷業界のデジタル移行という大きな変革期の技術者たちの声から当時を振り返りつつ、今なお引き継がれる本作りへのこだわりを紹介する1冊。印刷博物館協力でグーテンベルクの活版印刷に始まる本の印刷の歴史を、16世紀の西欧における出版の黄金時代や活字書体の誕生、発明が大きな影響を与えた宗教改革やダーウィンの進化論、写真の発明と印刷への取組みから大量・高速印刷を支えた文字製版の機械化、オフセット、グラビア印刷時代の到来までの概略を踏まえて、いかにデジタル化に取り組んでいったか紹介していてとても分かりやすかったですね。2025/05/16
緋莢
10
2003年に刊行された初版本に、「あれから二〇年、現在の本づくり」を追加した増補版。本を大量複製できるようになった活版印刷。グーテンベルクの功績(低い温度でも溶ける鉛で、すばやく固まる性質だったので、活字の大量鋳造に役立った数種類の金属を合金することで、一定の強度をもたせることに成功したなど)や、宗教改革で大きな役割を果たしたという歴史から、2003年当時の印刷工場の様子などなどが書かれてて、興味深かったです(続く2025/11/10
pp
2
印刷博物館面白そう!本を愛する気持ちがすごく伝わってきてよかった。印刷所で色を調整したり、仕事内容がすごく気になった。2025/12/20
くろう
2
図。本づくりの歴史、印刷と製本の現場を知れる。本という形を愛する人必読(個人的な感想です)カラー版なので写真や図が鮮明で分かりやすい。様々な知恵と工夫があって、今がある。速さと正確さを求められる作業にあの物量。そしてわずか20年で更なる変化を遂げた印刷技術。そこそこ本を読んでるけれど、その一冊一冊がどのように作られていくのかを知らずにいました。それを知れただけでも嬉しい。全ての本が愛おしい。そして、印刷博物館は いつか、絶対、行きたい。2025/12/10




