出版社内容情報
1945年8月、ソ連軍が国境を越えて侵攻を開始、のどかで美しい島は悲惨な戦場と化した。機銃掃射で倒れる人々、目の前を走り抜ける戦車、自決した女性たち…。南樺太で生まれ育った少年が体験した戦争とはどのようなものだったのか。過酷な戦争の記憶と現在のウクライナの姿とを交差させながら平和の意味を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
7
書名の「戦場」は緩和表現、昭和二十年九月、南樺太でのロシア系との共存は、一変してエイリアン露助(佐藤優によるとロシア語で露人はロスキー、差別語ではない)集団のRAPE=虐殺!略奪!難民→収容で過酷な絶滅労役/日本はソ連は不参加のポツダム宣言受諾で「戦闘行為停止」したが、軍隊の「無条件降伏」で、ソ連軍は9月になってから恵須取町の白旗を掲げた降伏の軍師を射殺し、婦女を蹂躙し、引揚船小笠原丸を潜水艦で撃沈し、住宅地豊原を焼夷弾爆撃し…抵抗するのを口実に少なくも北海道北半分を制圧しようと企んでいた/無抵抗が平和?2024/06/05
水
2
なんと言っても「うさぎを返せ!」のエピソードが大好き。思わず笑ってしまったソ連のお偉い軍人さんたちの人間らしさが垣間見える。青年カレオフとの交流も微笑ましい。世界がロシアという国全部(人を含め)を憎み、排除するのを止め、戦争、武器というものが人の心を狂わす危険性そのものにNOを突きつけたい気持ちにさせてくれる。2024/02/23
てんまる
2
南樺太が日本領だった1941年生まれ。4歳児の記憶力。多分周りから何度も聞かされてきた話なんだろうな。築き上げてきたもの。土地も動産も仕事も預金も信頼も全て取り上げられた引揚者。北海道がソ連の侵略対象だったこと。学生の頃は「昔はそうだったんだね」だったのに今の方が怖いと感じるその事実。2024/04/25
りゅう
2
戦争の裏には生きた人間の日常生活がある、ということを教えてくれる内容だったと思う。 「戦争は国と国との戦いで、人と人との戦いではない」。2023/10/12