出版社内容情報
1945年8月、ソ連軍が国境を越えて侵攻を開始、のどかで美しい島は悲惨な戦場と化した。機銃掃射で倒れる人々、目の前を走り抜ける戦車、自決した女性たち…。南樺太で生まれ育った少年が体験した戦争とはどのようなものだったのか。過酷な戦争の記憶と現在のウクライナの姿とを交差させながら平和の意味を考える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古本虫がさまよう
3
敗戦当時4歳程度。かろうじて記憶が残る時期。 本書では、幼少だったとはいえ本人のリアルタイムな思い出と共に、あとで知った知識による戦争の実態とが混合しているが、南樺太における貴重な戦争&占領・見聞体験記として読むことが可能な一冊。 2023/11/16
てんまる
0
南樺太が日本領だった1941年生まれ。4歳児の記憶力。多分周りから何度も聞かされてきた話なんだろうな。築き上げてきたもの。土地も動産も仕事も預金も信頼も全て取り上げられた引揚者。北海道がソ連の侵略対象だったこと。学生の頃は「昔はそうだったんだね」だったのに今の方が怖いと感じるその事実。2024/04/25
りゅう
0
戦争の裏には生きた人間の日常生活がある、ということを教えてくれる内容だったと思う。 「戦争は国と国との戦いで、人と人との戦いではない」。2023/10/12