出版社内容情報
「自分の考えが絶対に正しい!」と他人に意見を押しつけSNSを炎上させる人。その一方で、たやすく人の意見に流されてしまう人々も…。不安と不信が蔓延する社会において、私達は何を拠り所にすればよいのでしょうか。自分を信じて自分らしく生きるためのヒントを人気作家・真山仁さんが語ります。特別書下ろし。
内容説明
「自分の考えは絶対に正しい」と自分の意見を押し付ける人、他人の意見に安易に流される人…。不安と不信が蔓延する社会において私達はいったい何を拠り所にすればよいのか?作家・真山仁から困難な時代を生きる人々へ魂のメッセージ。自分を信じて自分らしく生きるためのヒント。
目次
1 世の中は、“正しい”に満ちている
2 SNSに影響されすぎてない?
3 不安は、“正しい”を求める
4 “正しい”の正体を暴く
5 コミュニケーション苦手解消法
6 疑う力という武器を持て
7 情報には意図がある
8 小説があなたを鍛える
9 なぜ、クリスティーなのか?
10 歪んだ“正しい”にすがるな
著者等紹介
真山仁[マヤマジン]
1962年大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒。新聞記者。フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
future4227
34
豊島岡女子、青山学院など2024中学入試においておそらくは一番多く出題されたであろう論説文。何が正しいかなんてわからない現代において、自分の正義を他人に押し付ける風潮が蔓延していることに危惧を抱く。正しいを疑ってかかることが大切。それは小説を読むことでより洗練されていく。特にアガサ・クリスティーが筆者の一押し。そうして多様化する価値観を認め、それぞれの落とし所を見つけていくことが求められている。あとがきに書かれていた著者の言葉が心に刺さる。「将来何になりたいか」ではなく「何をしたいのか」を考えるべきだと。2024/06/15
おせきはん
32
物事が〇か×かの二元論で語られることが増え、物事を進めるのが難しくなってきたと感じていたところでした。そのような中、それぞれの「正しい」を疑い、その背後にある考えを理解したうえで、落としどころを探る努力が、一層、重要になっていると思いました。2024/03/09
coolflat
18
31頁。同質性の強い社会にいある日本人の多くは、相手と同じ意見を持つのが“正しい”ことだ、相手と同じ意見を持たないと認めてもらえない、と思い込んでいる。だからこそ、承認欲求を満たすために必死に空気を読もうとし、血まなこで“正しい”場所を探す。自分が相手と同じ場所にいることを表すために、つまり自分は“正しい”と認めてもらうために、他人の主張に「いいね」をしてしまう。それはなぜか。不安だからである。2024/04/27
Tomomi Yazaki
17
周りがなんとも思わず進めようとすることに疑問を持ち、異を唱える。これは中々できない。これが出来たら、また違った人生だったかもしれない。著者はそれを実践し、その志を、小説という媒体で世間に訴え続けているという。相手と違う考えでも、その意見を理解すれば信頼は生まれる。そして大切なことは、洪水のように溢れる中から正しい情報を得ること。これは至難の業のように思えるが、そんな時に頼れるのが、違和感。正しいを疑うこと。それを養う特効薬が小説。氏の推しはなんとアガサクリスティー。はたしてその方法と効用とは・・・2023/07/31
スイ
13
『ハゲタカ』作者の中高生向け新書。 “話せばわかる”ではなく、話してもわかり合えないけれど妥協点を探そうというつもりでコミュニケーションを取るというのは良かったな。2023/01/03