出版社内容情報
西田 友広[ニシダ トモヒロ]
著・文・その他
内容説明
鎌倉幕府のトップである「鎌倉殿」に仕えた武士、すなわち御家人たちはどのような人々だったのでしょうか。どのような生活をし、社会の中でどのような役割を果たしていたのでしょうか?古文書や絵巻物などの史料をもとに鎌倉武士の実像を明らかにします。
目次
鎌倉武士とは
鎌倉武士の誕生
鎌倉武士の住居
鎌倉武士の食生活
鎌倉武士の服装
鎌倉武士の武装
鎌倉武士の合戦
鎌倉武士の武芸
鎌倉武士の人生
鎌倉武士の教養
鎌倉武士の娯楽
暴力と信仰
鎌倉殿への奉公
守護と地頭
女性の地位
鎌倉武士の行方
著者等紹介
西田友広[ニシダトモヒロ]
1977年、島根県生まれ。1999年、東京大学文学部卒業。2003年、同大学大学院人文社会系研究科博士課程を中途退学し、東京大学史料編纂所に入所。現在、同准教授。博士(文学)。専門は日本中世史。共編著書『現代語訳 吾妻鏡』(吉川弘文館、第70回毎日出版文化賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nnpusnsn1945
48
大河ドラマは見ていないが、鎌倉時代を舞台としたゲームのゴーストオブツシマをやったことがあるので、興味が湧き読んでみた。タイトル通り平易な語り口で鎌倉時代における武士の生活が伺える。食生活のなかに、犬を追物後に食した記述があるようだ。女性の武者、地頭も存在したようだ。2022/09/01
ホークス
30
2022年刊。参考になった。以下、地頭について私の理解。⚫︎土地には国司支配の公地と荘園領主(貴族や寺社等の権門)支配の荘園があった。現地を支配したのは、国司や荘園領主が任命した下織(げしき)→呼称は様々。出自は国府職員や権門の家来など⚫︎源頼朝は下織を御家人である地頭に置き換えた(下織が地頭になる場合も)。平家戦、承久の乱の勝利で促進できた⚫︎地頭の地位は安定し、治安維持、徴税など役割が明確化⚫︎地頭への任命を「御家人への恩賞」とする事で幕府は全国を支配⚫︎地頭の収入は下織の委託料(税の一部、免田等)。2025/07/20
鯖
20
衣食住はじめ鎌倉武士の生活の解説本。衣は麻か絹かの二択。大河でも最初の頃から都から来たりくさんや頼朝は光沢ある絹を着てたけど、M子たちは麻だったもんなあ。男衾三郎絵詞、内容知ってたけど「馬場には生首をいつもあるように切って掛けとけ。門前を通る乞食や修行者は追物討にして射殺せ」インパクトやっぱつええわ。泰時くんが御成敗式目で「道歩ってる女をかどわかすの禁止ね」ってやったのは弟の朝時が実朝の妻の侍女を誘拐したやつを受けてなのかなあ、やっぱり。面白かった。2022/11/13
kuukazoo
17
そもそも武士って何だっけと思って読んでみた。健児制なんて忘れてる。この本では武士の中でも鎌倉殿に仕えた「御家人」の衣食住やお仕事、人生などについて解説。腋を縫わない服=闕腋(けってき)という語を初めて知った。奉公のお仕事多くて大変なのに貧乏なんて御家人の皆さん辛すぎ。浄土信仰が広まると暴力や殺生という生業と極楽往生との間で葛藤する武士もいたようで「草を刈ると虫が死ぬけど刈らないとぼうぼうになるしどうしたらいいですか」というラブリーなお悩みが残っている。コンパクトだけど面白い1冊だった。2023/01/09
さとうしん
17
住居や食事といった学校の資料集でよく取り上げられる話題から、あまり取り上げられなさそうな武士の書風、暴力と信仰、女性の土地相続の問題まで幅広く扱う。ただ、絵画の食器の形状や盛り付けられてる食材など細かな部分に着目して言及する割には、カラー図版がないこと、図版が小さいことが難点といえば難点。2022/09/15