出版社内容情報
2017年夏,国連で「核兵器禁止条約」が成立し,それに大きく貢献したNGO・ICANは,ノーベル平和賞を受賞します.その中心にいて核兵器廃絶のために奔走する著者が,核の現状や今後の世界のありようについて熱く語ります.
内容説明
2017年7月、国連で核兵器の全面禁止を定めた「核兵器禁止条約」が成立し、条約の成立に大きく貢献したNGO・ICANは、同年末にノーベル平和賞を受賞します。その中心で、今も核兵器廃絶のために奔走する著者が、条約ができていく様子や活動の日々、そして世界のこれからについて、核の現状をふまえながら熱く語った一冊。
目次
プロローグ 世界を動かしたのは普通の人たち
第1章 被爆者との旅から始まった
第2章 「核兵器」問題って何だ?
第3章 そして世界が動いた―ICANが起こした風
第4章 いま日本が立っている場所
第5章 一人ひとりが声を上げる意味
エピローグ 小さな前進と、小さな危険信号
著者等紹介
川崎哲[カワサキアキラ]
1968年生まれ。現在、NGOピースボード共同代表、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員。ピースデポ事務局長を経て現職。恵泉女学園大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
吟遊
13
被爆者の声を聞いてきた著者が、NGOピースボートで活躍し、ピースボートがICANに加盟して、ノーベル平和賞をとる。。。核兵器禁止条約の誕生である(2017)。その過程を見守ってきた著者が、核兵器について語るわけだが、本としてのレベルは低いと感じた。いくらジュニア向けとは言え。核兵器禁止条約の限界や、成立プロセスの詳細がわからない。「ヒバクシャ(英語にもなっている)は大変悲惨で声をあげてくれているのだから、核兵器をなくそう」と言う。それだけでは、国際的な情勢のリアルを映しているとはいえないと思った。2018/08/03
オカピー
6
核の傘に入る?核爆弾落とされた唯一の国なのに?しかも、核爆弾落としたアメリカに頼って?矛盾だらけですね。日本は、いつまでアメリカの属国のままでいるのでしょうか?日本として、もっと自己主張したらいいのではと思います。もう、武力で威圧していく時代ではないと思いますし、核弾頭を持っている国が捨てない限り、何を言っても絵空事ですね。2023/04/05
ichigomonogatari
5
原爆の悲惨さを訴えながら核兵器禁止条約には参加しない日本の態度に矛盾を感じつつも、核兵器をなくすなんて無理と諦めの境地でいた自分だが、この本を読んで、いや、核廃絶に向けてできることをしていくことこそが現実的態度だと思わされた。2021/09/10
タバサ
5
これは、ジュニア新書ですが、大人が読んでも良い本です。核兵器廃絶のために活動してノーベル平和賞を受賞したNGO,ICANのこれまでの活動と、日本の動きが丁寧に書いてあります。核兵器廃絶に向けてどのように世界が動いているか、それに対する日本の対応の矛盾点などは、若い人たちに伝えるべき事柄でしょう。そして、NGOとして活動することの難しさや、柔軟な発想が世の中や人を動かしてきたICANの活動の方法なども、良く分かりました。自分にも何か出来るかも、と思わせる説得力がありました。2021/05/27
Yasuhisa Ogura
4
著者は、2017年にノーベル平和賞を受賞したICANのメンバー。核兵器禁止条約の作成の経緯と著者自身の核廃絶への取り組みについて語ったもの。特に後者は、核廃絶以外の社会的な問題を解決しようと取り組む人たちにも大いに参考になると思う。核廃絶については批判的な意見を持つ人もいると思うが、著者が指摘するように、まずは被爆者の話を聞くことが重要であろう。ジュニア新書ということで、中高生向けなのかもしれないが、社会人にとっても読むに値する内容だと思う。2020/04/01