出版社内容情報
女優・綾瀬はるかが被爆者を訪ねます。苦しみと向き合いながら戦後を生きた人々の言葉を通して平和の意味を考えます。
内容説明
爆心直下で被爆しながら奇跡的に命をつないだ人々、被爆直後の惨状の中で生まれた命、原爆症の父を支え続けた娘…。戦争体験者の言葉を通して平和の意味を考えます。大きな反響を呼んだNEWS23「綾瀬はるか『戦争』を聞く」シリーズの書籍化第2弾。
目次
1 ヒロシマ2013―ガレキの街で取り上げた命
2 ナガサキ2013―原爆症の父を支えて
3 ヒロシマ2014―なぜ子供たちは死んだのか
4 奄美2014―忘れられた原爆乙女たち
5 ヒロシマ2015―私は爆心直下を生きた・戦後70年
6 ヒロシマ2015―爆心直下を生きた被爆者・未来へ遺したい言葉
対談 綾瀬はるか・膳場貴子 体験者の声を聞き続けて
1 ~ 3件/全3件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
国士舘大学そっくりおじさん・寺
103
毎年夏には戦争の本を1冊読む様にしている。今年はこれにした。広島人として、同郷の綾瀬はるかは贔屓である。明日は広島の原爆記念日。NEWS23で綾瀬が毎年やっている取材の書籍化。2013~15年の被爆者との対話。綾瀬の祖母の妹も被爆している。取材された被爆者の方は、放送終了後に亡くなっていたりするのが切なくて参る。広島、長崎、奄美の被爆者達の壮絶な体験に驚く。どれも怖くて切ない。老人達の骨身に染みた反戦の言葉はどれも空念仏ではない。綾瀬の老人への寄り添い方が優しい。綾瀬自体が鎮魂の供花の様である。お薦め。2016/08/05
かわうそ
72
★★★★★原爆という人間が作った破壊兵器がどれだけ甚大な被害が及ぼされたか被爆された方々の言葉なのでなおさら、心に突き刺されれる。それにしても、70年も語っていなかったことを引き出した綾瀬はるかさんの人間性にも感動した。爆心地五百メートル県内にいた人たちは90パーセント以上の人々が亡くなった。死のエリアと言われる所以だ。建物疎開という火災の拡大を防ぐために建物を破壊する作業をしていた学生は建物の盾がないために甚大な被害を受け死亡した。それ以前に学校の責任者は政府に抗議していたが強行されたのだ。2017/01/05
へくとぱすかる
68
栗原貞子の詩が実話であること。被爆後まもなくの出産という奇跡。新しい生命という存在が、これ以上ないほどの逆境におかれながらも、希望を与えることを見せつけてくれる。命拾いした父親を原爆症で亡くす長い闘病生活や、軍からの指示の建物疎開をとどまり、結果自校の生徒を救った校長、等々。綾瀬さんも70年間思い出したくなかった、語りたくなかった人々と話ができるまでに受け入れられる。最後は、体験者がどんどん鬼籍に入っていくことの無念さでしめくくられるが、戦争体験を受け継ぐことの見本がここにある。2019/11/13
Gummo
42
綾瀬はるかが被爆者の声を聞く、シリーズ第2弾。年々減り続ける戦争体験者の貴重な記憶の記録。どの方の体験も凄まじく、今回もやはり涙なくしては読めなかった。破壊された街と人々。しかし、瓦礫のなかでも新しい命は誕生し、生き残った人たちも新たな家族を持ち、後遺症や偏見と戦いながらそれぞれの人生を切り開いていく。みんな負けてない、そのことに勇気をもらえた。2016/09/19
てんちゃん
31
綾瀬さんの人となりでしょうか?口を閉ざしていた人も戦争の体験談を話し出す。綾瀬さんは2005年のニュース23から2015年まで40人にものぼる戦争(原爆)体験者の話を聞いたそうです。最初は辛い話をさせては申し訳ないと話を止めようとしたこともあったそうですが、何人もの方から聞くうちに「聞かなければ、伝えなければ」という気持ちに変わられたそうです。この本を通して戦争の悲惨さを再認識すると共に、綾瀬さんの人となりに感動しました。2018/11/20