出版社内容情報
血液型と性格は関係ある? 遺伝子、分子、進化、病気との関係…。生物学のあらゆる分野から徹底解説。
内容説明
血液型と性格って、本当に関係があるのでしょうか。そもそも、血液型の違いは、どうして生まれるのでしょう。考えてみると、よく話題にするわりに私たちは血液型のしくみをよく知りません。遺伝のしかた、分子の構造、DNAの違い、めずらしい血液型、病気との関係…。いちどしっかり、科学的に考えてみませんか?
目次
第1章 ABO血液型のキホン
第2章 ABO血液型の遺伝のしかた
第3章 血液型の違いはどうして生まれる?
第4章 めずらしい血液型のひみつ
第5章 免疫とABO血液型
第6章 進化とABO血液型
第7章 病気とABO血液型
著者等紹介
山本文一郎[ヤマモトフミイチロウ]
1955年生まれ。ホセ・カレーラス白血病研究所主任研究員(スペイン=バルセロナ)。78年大阪市立大学理学部生物学科卒、83年同大学大学院理学研究科生物学専攻博士課程修了。バイオメンブレン研究所、ワシントン大学、フランスのツールーズ大学などを経て現職。専門は糖鎖合成酵素の分子遺伝学。ABO血液型のゲノム配列の決定などで国際輸血学会ほかより多数の賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
魚京童!
9
いや、だから血液型占いは有効だから。2015/10/01
読書実践家
7
血液のタイプ、遺伝、植物の受粉など、色んなことに派生していって面白かった。2016/04/10
manabukimoto
4
赤血球の膜上にある抗体。「人は、自分が持っている抗原に対する抗体はもたないけれども、もっていない抗原に対する抗体はもっている」というランドスタイナーの法則を元に4つに分けたのがABOの血液分類法。輸血時の凝集を避けるためのグループ分け。 脳性マラリアはA型に多いとか、胃潰瘍はO型に多いなど、抗原の有無での病気のなり易さはあるらしい。ただし、巷で持て囃されている「性格」やら「ダイエット」への血液型の応用は、控えめな口調で否定している。ま、そりゃそうだろう。 勉強になりました。 近鉄奈良駅ビル献血ルーム蔵書 2021/05/04
ジュリ
3
A抗原、B抗原、抗A抗体、抗B抗体というものがあり、これらが関係して血液の凝集が起こる。なぜそうなるのか科学的にわかりやすく解説してくれている。ABO以外にもボンベイ型など違った血液があるとは知らなかった。2018/05/02
すがの
3
血液型について比較的平易な文章ながら、科学的良心に基づいて非常に真面目に書かれている。高校生物もセンターの基本レベルを触れた程度で、血液型の遺伝については理解しているつもりだったが、「特殊」な血液型で単純な遺伝だけでは扱えないものもあると読んで興味深い。「マーシャルは自らの体を実験台にして、試験管内で培養したピロリ菌を飲み、急性胃炎となることで、この細菌が胃炎を起こすことを証明したのです。」(184頁)科学者ってすごい。2015/08/14