岩波ジュニア新書<br> しあわせに働ける社会へ

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岩波ジュニア新書
しあわせに働ける社会へ

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  • サイズ 新書判/ページ数 191,/高さ 18cm
  • 商品コード 9784005007158
  • NDC分類 K366
  • Cコード C0236

出版社内容情報

長引く不況の影響を受け,若者たちの就職が厳しさを増す一方で,働き口があっても過酷な労働に心身の健康を損ねて退職を余儀なくされる者もいる.誰もがしあわせに働ける社会にするために,必要な労働政策や制度とは何か? 働く者に必要な知識や知恵とは? 多くの労働現場を取材してきた著者が,様々な事例をもとに提言する.

内容説明

長引く不況の影響を受け、若者たちの就職が厳しさを増す一方、働き口があっても苛酷な労働に心身の健康を損ねて退職を余儀なくされる者もいる。誰もがしあわせに働ける社会にするために必要な労働政策とは何か?働く者に必要な知識とは?多くの労働現場を丹念に取材してきた著者が、さまざまな事例をもとに提言する。

目次

第1章 就職難は若者のせいなのか(それは「ぜいたく」なのか;それは「スキル」のせいなのか ほか)
第2章 正社員、大手企業なら安心なのか(会社は「働く」の足がかりにすぎない;「社畜」といわれた人びと ほか)
第3章 まともな働き方をさぐる(「前期ロスジェネ」からの出発;ブラック企業の連続 ほか)
第4章 落とし穴に備える自分づくり(落とし穴を知っている人、知らない人;働くことの楽しさと苦しさ ほか)
第5章 しあわせに働ける仕組みづくり(それは偉い人が考えればいいこと?;過労死を防ぐ労働時間制度 ほか)

著者等紹介

竹信三恵子[タケノブミエコ]
1953年生まれ。76年朝日新聞社入社。経済部記者、シンガポール特派員、学芸部次長、総合研究センター主任研究員、編集委員兼論説委員などを経て、2011年退社。現在、和光大学現代人間学部教授。著書に『ルポ 雇用劣化不況』(09年、岩波新書、日本労働ペンクラブ賞)など多数。09年、貧困ジャーナリズム大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

10
今年の岩波ジュニア新書の中でもベスト候補。労働問題に携わり、貧困ジャーナリズム大賞を受賞した著者が就職難やブラック企業問題、人としての働きかたについて現状と概観、対策と未来への希望を語っている。ありとあらゆるまともな労働を探る道が腐蝕している今、若い世代が立ち上がるための知識と熱意を優しさの溢れた文章で伝える、理想の新書とも言える構成。実際に立ち上がった人々の模索もルポされていて、勇気と余裕を与えてくれる正しい意味での啓蒙書となっている。親御さんもこういう本を読ませてあげてほしい2012/12/26

Mc6ρ助

9
再読、内容をすっかり失念していた。最後のまとめからだけでも以下の労働政策が出てくる。名著、人すべからく敬聴すべし。EUのような基本無期限雇用(非正規手当もマネしたい)。ピンハネ天国でない仕事につながる職業訓練。給付型奨学金。次の仕事が普通に探せる短くない失業保険。個人的意見だが加えて短時間労働への雇用・健康保険の完全適用も加えてほしい(積立は雇用主だけでフルタイムの労使分の額をなんてね)。労働者や中小企業に正当な報酬を支払うことを怠けてはいけない。次の世代に真っ当な機会を与えなければいけない。2023/07/03

壱萬弐仟縁

6
ヤングコーナーより拝借。いいタイトルだ。構造的に非正規に回されていくという労働市場にこそ切り込まないと、いつまでたっても、人口減少子高齢社会に歯止めはかからないと実感される。ワーキングプア増加も歯止めがかからない。アベノミクスはどう対策を講じるか。見えてこない。昨日の大阪の母子餓死発見の話は、DVが原因とのこと。収入が途絶えるといのちを奪われる恐ろしい先進国日本なのだ。賃金相応の無責任労働が懸念される。行政は苦境を伝えてくれないと・・・と指摘したが、腹立たしかった。いのちを守れない先進国はその名に値せず。2013/05/28

Nobuko Hashimoto

6
おすすめです。著者も主張されているように、「キャリア教育」だけではなく、「労働教育」も充実させる必要があると思います。人間らしく、尊厳を保って、充実感をもって働けるよう、社会動向、働く人の権利を守る法・制度、泣き寝入りしないための心構えや防衛策をわかりやすく伝える場、機会がもっと必要だと思います。2013/05/22

aoyami

6
雇われる身でも、労働者は声を高く上げる権利を持っているということと、雇用される以外でしあわせに働く方法、明日の食べ物に困った場合の対処法、そしてよりよい労働環境のための法整備についてなど、労働者リテラシーが網羅されていた。これらがもっと一般的な価値観になって欲しいと強く思ったのと、まず自分の中の「負け癖」を見つめて、正していかねばと思えた。2012/07/19

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