内容説明
強制収容所を生き延びた詩人・石原吉郎は、戦争を生み出す人間の内なる暴力性と権力性を死の間際まで問い続けた。彼はシベリアでいったい何を見たのか?石原を軸に抑留者たちの戦後を丹念に追った著者が、シベリア抑留の実態と体験が彼らに与えたものを描き出す。人間の本性、生きる意味について考えさせられる一冊。
目次
プロローグ
第1章 封印された過去
第2章 ラーゲリの記憶
第3章 戦後社会との断層
第4章 詩人へと連なる水脈
エピローグ
付録 三編の詩・石原吉郎
著者等紹介
畑谷史代[ハタヤフミヨ]
1968年、長野市生まれ。早稲田大学文学部卒業、同大学院文学研究科中退。信濃毎日新聞社入社。報道部、文化部を経て現在、論説委員。著書に『差別とハンセン病―「柊の垣根」は今も』(平凡社新書)、共著に新聞協会賞(1999年度)を受賞した『介護のあした』(紀伊國屋書店)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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