岩波ジュニア新書
中学生の満州敗戦日記

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  • サイズ 新書判/ページ数 226p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784005005901
  • NDC分類 K916
  • Cコード C0221

内容説明

植民地満州。日々の暮らしの中で「おかしいぞ」と感じていたものの正体が、敗戦と同時に、少年の前に怒涛のように姿をあらわしてくる。民間人を置き去りにしていち早く逃亡した関東軍、開拓団の人たちの悲惨な逃避行、ソ連軍侵攻による身の危険。満州で敗戦を迎えた一中学生は、何を見、どんな思いをもちながら、どう生きたのか。

目次

1章 王栄廟開拓団
2章 「満州国」とハルビン
3章 ハルビンでの暮らし
4章 男狩り
5章 その後の王栄廟開拓団
6章 街頭露店
7章 七三一部隊
8章 パーロが来た
9章 引き揚げ
10章 砂上の幻想国家

著者等紹介

今井和也[イマイカズヤ]
1931年東京生まれ。ハルビンで育つ。東京大学文学部卒業。レナウンで、CMプロデュース、宣伝部長、レリアン社長、専務取締役をへて1993年に退社。帝京大学・文学部非常勤講師、学校法人・桑沢学園理事、帝京平成大学・経営情報学部教授をへて、2003年から同大学非常勤講師、現在にいたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

かおりんご

22
同じ満州引き上げ者でも、開拓団の人と違い、著者は恵まれていた方なんだと感じた。もちろん紆余曲折はあるのだけれど。結局、翻弄されるのはいつの世も末端の人たちなですね。中学生くらいから。2018/05/29

かたばみ

3
満州開拓から引き揚げまで。辛く悲しい記録は、時として読み進められないものもあるのだが、本書はテンポのいい文章であっという間に読み終えた。ことのほかよかったのは、苦しくひもじい時でも機を捕らえてしたたかに儲けて生きるIくんについての記述。人間のたくましさを感じた。良書だった。2020/09/10

のうみそしる

2
当時の状況がよくわかる。文章も簡潔でエピソードも豊富。ソ連が「日」ソ中立条約を無視して、「満州」に攻め入った、という矛盾。なるほど。2011/12/28

みさと

1
満州はハルビンの中学生として筆者が経験した敗戦。ソ連軍の侵攻とともに民間人を置き去りにしたばかりか橋まで爆破していち早く逃走した「無敵」関東軍。勤労奉仕に行った先の開拓団の人たちの悲惨な逃避行と末路。そんな中でも家族で引き揚げまで支え合った日々。生き延びるために路上で物売りをしたたくましさは、読む側には面白い。骨の髄まで軍国少年だったが、中学校での教師や上級生の軍隊式シゴキに疑問を感じ、砂上の楼閣「満州国」崩壊に大日本帝国の本当の姿を見てしまう。歴史に学ぶことをしない現代の我々にクエスチョンを投げかける。2020/04/28

MCH46RR

1
思ったより悲惨な体験記ではなかった。満ソ中立条約ついては確かになるほどと思った他にも同じようなことを唱えている人はいないのか気になった。2013/10/24

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