内容説明
だれかを好きになってドキドキしたり、友だちとケンカして悲しくなったり、人生のさまざまな局面で経験する感情の起伏や気持ちの変転、古今東西の文学作品のことばの中から、多様な人間模様や感情のありようを紹介しながら、解説します。生きることを深く見つめ直すきっかけとなるだけでなく、読書案内としても最適の一冊です。
目次
1章 きみの涙の理由は
2章 人を愛するとき
3章 驚きとおののき
4章 大人の世界とは
5章 斜に構えた考え
6章 自分を信じること
著者等紹介
中村邦生[ナカムラクニオ]
1946年東京都生まれ。作家。大東文化大学文学部教授として比較文学、英米文学、文章制作法などを担当。「冗談関係のメモリアル」で、第七七回『文學界』(文藝春秋社)新人賞を受賞。「ドッグ・ウォーカー」「森への招待」がそれぞれ芥川賞候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もちもちかめ
14
程よい読書案内にもなっていて、好感がもてる。親切で優しい語り口。若い頃は、こういう教養のある大人がたくさんいるんだと思ってた。気になった言葉。いま、きみが身を縮めている暗い場所、その暗闇の深さこそ信じてみよう。低く暗いところこそ、至高の場所なのだ、と。2016/11/27
ジョニジョニ
10
どうにもならない窮状を励ましてくれるかな…なんて甘えたくなって読んだ。良い本だとおもうけど、「あなたはひとりではありませんよ」という優しい言葉が、時に窮屈に感じることもある。楽しいことも悲しいことも、人との関わりの中で生じることだからこそ、求めたり離れたりする。で、ひとりじゃ何にもできないなぁ、と大人になった僕はおもうけど、思春期の頃はもっと思いあがってたな、なんて懐かしく思い出しました。なんだかんだいっても、中年を迎えた今が一番楽しい。生きてるだけでもうけもの!2020/07/31
ブルーツ・リー
5
一言にまとめてしまおうとすれば、「読書案内」に、かなり近い内容だった。 殆どの項目が、世界の、何某かの名作の言葉の引用から始まって、そこから著者の考えを述べて、という形で構成されている。 しかしあえて「読書案内」と言わず「感情のレッスン」とか、雲をつかむような言葉で表現する辺りが、良くも悪くも作家だな、と思った。 内容はとてもいいと思う。高校生辺りには、新鮮に聞こえるであろう言葉が並んでいるし、ここから世界の名著に当たってみようと思う人も出てくるはず。 内容に即するようなタイトルに変えると、なおいいかも。2021/07/17
おおくま
3
出会えてよかった本です。実生活の心と読書の奥深さがぐっと近くなります。言葉の素晴らしさを紹介していただきました。ドーデの「星」(風車小屋便り)から読んでみたくなりました。2011/01/01
emma
2
とても励まされました。この本を読む前私は友達関係にとてつもなく悩んでいましたが、この本を読んできれいサッパリに友達関係なんか平気になりました。そんな感じでこの本はとっても良いほんですし、とても読みやすいですよ!2020/06/11