内容説明
中国の若者たちはなぜ反日デモに参加したのでしょうか。日中関係の将来はどうなるのでしょうか―悠久の歴史を誇り、経済発展が著しい反面、人々の自由と民主を制限し、軍備増強を進める中国。新聞記者として豊富な取材経験を持つ著者が、近現代史と日中関係を軸にして、中国とはどのような国で何を目指しているのか、「中国のいま」をいきいきとした筆致で伝えます。
目次
序章 中国を考えるために
第1章 日中関係から考える
第2章 歴史のうねり
第3章 変わりゆく暮らし
第4章 変貌する大地
第5章 未来の風
第6章 日本と中国の未来
著者等紹介
上村幸治[カミムラコウジ]
1958年鹿児島県に生まれる。1980年大阪外国語大学中国語学科卒業。毎日新聞香港、北京、ニューヨーク特派員、ニューヨーク支局長、中国総局長を歴任。2006年4月より獨協大学外国語学部言語文化学科教授(現代中国論)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
10
現代中国入門としてかなり良書で、反日デモの背景である歴史や政治、社会の流れをバランスよくいろいろな視点からまとめてよりよく理解できるようになっている。格差の拡大や民主化の熱気と独裁など、反日や愛国だけでは語れない中国の多様な相貌を分かりやすくジュニア読者にも教えてくれる。農民人口九億人という圧倒的な農業国家っぷりに莫言の小説の凄まじい世界が一層掴めたような。僻地の農村では宗族やマフィアが村を勝手に支配するとか凄い世界だ。ブックガイドももついていていい2012/10/28
くらげ@
5
(☆☆☆☆)日本が実際にやってしまったことを読むと複雑な気持ちに・・。そして生まれながらの加害者という言葉にはっとさせられた。ただだからといって何でも譲歩すれば良いわけではない。じゃあどうしたらいいのか。難しい。。。2013/08/12
ユウティ
2
とてもフラットなスタンスの本で読んで良かった。民主化というのはやはり発展の大きな鍵なんだと、もう30代だけど今さら思った。でもいいか、こんなでも考え続けることが大切であり、それが知性を形作っていくことだからとあとがきにあったし。ときどき自分が中国語を勉強するのは何故かなと考える。政治や経済や国にはそんなに興味を持てない。中国の言葉の文化や音に惹かれているのかなあ。2015/12/21
natukoba
1
なぜ中国はこれほどまでに反日なのかということが気になって手に取った。ジュニア向けということでとても分かりやすく経緯が少し理解できた。10年以上前の本なのが気になるが それでも読む価値あり。フラットな気持ちで書いているのがいい。本当は中国も民主主義を取り入れたいが、人口、民度の面で踏み切れない、反米を主張しながら、国民は英語の学習熱が高く、国もそれを応援し、若者をハーバードに留学させる。この自己矛盾が面白い。もう少しお互いが敬意を持って、理解することが大事だと思った。2022/03/17
オランジーナ@
1
いまと言っても、もう賞味期限切れの本かなあ 2017/09/08