出版社内容情報
新五千円札の顔,樋口一葉.女性戸主,名門和歌塾の塾生,小説「たけくらべ」などの作者と,さまざまな顔を持つ一葉の24年間の短い生涯を,日記・手紙・小説などの本文を読みながらたどります.
内容説明
明治をかけぬけた女性作家、樋口一葉。父と兄を失った樋口家を切り盛りするけなげな女戸主、名門和歌塾“萩の舎”の塾生、小説「たけくらべ」などの作者―さまざまな顔を持っていた一葉の、二四年間の短い人生を、日記・手紙・小説などの本文(原文と現代語訳)を読みながらたどります。
目次
1 娘戸主の誕生
2 “萩の舎”という学びの場
3 文筆業の時代
4 文学と生計
5 同人誌という文学空間
6 ブレイクする「一葉女史」
7 一葉の小説世界
8 文化としての一葉
終章 二四歳の別れ
一葉文学散歩
著者等紹介
関礼子[セキレイコ]
1949年生まれ。立教大学文学部日本文学科卒業、同大学院博士課程後期課程満期退学。専攻は、日本近代女性文学。樋口一葉を中心とする明治期の女性文学を研究。現在、亜細亜大学経済学部教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まさむ♪ね
35
図書館本。目当ては別の本だったのだけど、近くに置いてあった本書を結局先に読了してしまった。一葉といえば五千円札の人という知識しかなかったわたしももはや一葉通。あ、うそ、ちょっと(かなり?)盛りました。それでも、日記・手紙・小説の本文を引きながら一葉の生涯をたどる本書は、24年6ヶ月という限られた時の中を濃密に生きた近代初の職業女性作家樋口一葉の息づかいを肌で感じられるとても良い本でした。思うことは、その文学的才能とともに彼女はほんとうに出会いに恵まれていた。終章、斎藤緑雨との淡く儚い交流に涙する。2015/03/21
びすけっと
10
2004年5月刊。五千円札に登場した頃に編まれた本。ジュニア新書ですが、本格的な入門書でした。観劇の感激もさめやらぬ間に読んだので、脚本や演技、演出の良さもさらに感ずるところとなりました。上流も下位の民をも見つめ、自身は下る一方であった中で書くことに精力を注いだ一葉の生き様に凄さを感じ取りました。評価を受けながらも冷めた目で自己を見つめていたところもすばらしい。巡り合わせかも知れないけれど、多くの同人と語り合えた時代はさぞ愉しいものだったろう。一葉の稿を大切に保存した妹邦子のことも知りたくなりました。2016/02/01
双海(ふたみ)
8
久しぶりに一葉女史に関する本を読みましたが、やはり面白いですね。2013/12/06
葉菜枝
4
一葉の日記や手紙、小説など、一葉自身の文章(原文)に現代語訳を添える形式で「一葉の声」をより直接的に身近に感じることができる一冊だった。「萩の舎」の先輩、小説「藪の鶯」を発表した田辺花圃からの親身な励ましの手紙や、斎藤緑雨からの歯に衣着せぬ、かつ、良き読者としての批評など、一葉へ宛てた手紙もいくつか掲載されている。樋口一葉が「通俗書簡文」(手紙文例集)なども執筆していたのは知らなかった。子猫がほしい時の依頼の文例なんかもあって面白い。2014/03/04
悸村成一
1
良書。図書館本。1512018/10/04
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- 和書
- ぼくはうちゅうじん