出版社内容情報
戦艦武蔵に胸おどらせた少年はやがて勤労動員,空襲,と戦争の渦に巻きこまれる.そして15歳の夏,悲劇は起った.今こそ語りたい,あの日に見た地獄のこと,死んでいった同級生のこと….平和を担う若者への渾身のメッセージ.
内容説明
小学一年の時から戦争だった長崎のまちで、戦艦武蔵の雄姿に胸おどらせた少年は、やがて軍事教練、勤労動員、空襲と戦争の渦にまきこまれる。そして15歳の夏、惨劇は起こった。今こそ語りたい、あの日に見た地獄のこと、死んでいった同級生や家族のこと。21世紀を生きていく人々への被爆者からのメッセージ。
目次
1 ナガサキを知っていますか
2 小国民と戦艦「武蔵」
3 戦争している国の中学生
4 一九四五年八月九日
5 われわれの8.9
6 爆心地をこえて
7 再び爆心地へ
8 ナガサキ・デイ・アフター
著者等紹介
渡辺浩[ワタナベユタカ]
1930年、長崎(築町)に生まれる。映画キャメラマン、映像評論家。53年早稲田大学第一文学部卒業、松竹(大船撮影所)に入社。65年「木下恵介劇場」でキャメラマンとなる
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
58
厳しい。原爆の悲惨さを、余すところなく後世に伝えたいだけではなく、被爆前も人権が簡単に蹂躙されていた時代を許してはならないという意志に貫かれて述べられる。本文にもあるが、「二度と起こってはならない」と言いながらも、「今の状況ではまずない」という甘い認識を、どこかに持っている私たち。世界の状況をなりゆき任せにする怖さは、気がついたら引き返せない時点に来てしまうことにあるのだと思う。2019/07/08
かおりんご
22
児童書。体験談を中心にまとめられています。ところどころ当時の惨状が写真でおさめられており、想像を超える状況に、思わず目を覆いたくなります。だけど、もう一歩。もう一歩具体的に体験談を書いて欲しかったです。長崎に行っことがあっても、分かりづらく感じましたし。当時の日本の社会全体を説明することは大切ですが、武蔵の話はいらなかったかな。むしろ、戦後お父さんを失ってからどうしたのか、原爆投下後の一年に焦点を当てて欲しかったです。中高生向け。2019/08/08
さき
8
改めてもう二度と戦争という歴史を繰り返してはいけないと感じた。いつか、一人一人が平和について考え、なにかできることを見つけて実行していけるような世界になることを信じたい。2014/01/08
どこかの国語教師
3
15歳のときに長崎で被爆を体験した筆者。生々しい写真がところどころに。2012/08/04
かぢた
2
見たものと感じたことが、理性的に書かれている。地図や写真も掲載されている。2018/10/27