出版社内容情報
春過ぎて夏来たるらし白たへの衣干したり天の香具山―『万葉集』の歌の作者は天皇から庶民までの広きにわたります.彼らは何を見,感じ,どう表現したのか.代表的名歌を解釈し,日本最古の歌集の奥行きある世界を旅します.
内容説明
春過ぎて夏来るらし白たへの衣干したり天の香具山―『万葉集』の歌の作り手は、天皇皇族から庶民までの広きにわたります。彼らは何を見、感じ、どう表現したのか。その歌々が今も私たちの心を魅了しつづけるのはなぜか。代表的な名歌を解釈しながら、日本最古の歌集の奥行きある世界を旅します。
目次
『万葉集』とは何か
恋の歌―こころの映像
初期万葉―宮廷文化の華
万葉第二期―「大君は神にしませば」
柿本人麻呂―雄大なる抒情
都と鄙―自然へのまなざし
山部赤人―叙景の達人
大伴旅人―美と悲哀の歌人
山上憶良―「子等を思ふ歌」
高橋虫麻呂―人間の根源をみつめて
女歌―内省のめばえ
大伴家持―孤高の大歌人
東国の歌―ひろがる歌のすそ野
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
60
「令和」を受けて、「万葉集」がベストセラーらしい。本屋でも特設コーナーが出来ている。にわか古典ブームかな。と、私も、図書館にあったやさしそうな本を読んでみる。あー、この歌も万葉集だったんだなぁと思い出す歌もある。人の心は、今も昔も変わらない。「験なきものを思わずは一杯の濁れる酒を飲むべくあるらし」効果もない物思いをするくらいなら一杯の濁酒を飲むべきだろう、と、今日も酒を飲む。2019/04/11
yumicomachi
3
これまで何冊かの万葉集入門書やムックを読んできたが、これほど深くわかりやすくまとまったものはなかった。以下、目次を紹介する。1.『万葉集』とは何か2.恋の歌ーこころの映像3.初期万葉ー宮廷文化の華4.万葉第二期—「大君は神にしませば」5.柿本人麻呂ー偉大なる抒情6.都と鄙ー自然へのまなざし7.山部赤人ー叙景の達人8.大伴旅人ー美と悲哀の歌人9.山上憶良ー「子等を思ふ歌」10.高橋虫麻呂ー人間の根源をみつめて11.女歌ー内省のめばえ12.大伴家持ー孤高の大歌人13.東歌ーひろがる歌のすそ野。2002年発行。2023/01/28
KiKi
2
この本はね、KiKi がLothlórien_山小舎に居を構えて以来、いつかは読んでみたいと思っていた本の1冊です。 「Lothlórien_山小舎」と「万葉集」。 その接点がどこにあるかっていうとね、日本最古のこの歌集には「東歌」というジャンルがあるんですよね~。 「東歌」というのは万葉集の巻十四の一巻に収められていて、238首あるんだけど、そのすべてが作者不明。 まあ、このこと自体は万葉集の全歌数のほぼ半数が作者不詳であることから、不思議でもなんでもないんだけど、その東歌のうち、国が銘記された2010/06/13
ヨグ=ソトース
0
ジュニア新書は内容が非常に充実していて面白いです。本書は有名な万葉歌人を一人一人丁寧に解説するだけでなく、万葉のこころを教えてくれます。2017/07/01
こうたろう
0
あなどるべからずジュニア新書。中・高校生向けとは言え、大人が読んでも十分に鑑賞に堪える本。同シリーズの「詩の心を読む」茨木のり子も良書だったです。2014/10/15
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- 和書
- わたしのものよ