出版社内容情報
1944年,学徒動員,19歳で中国大陸へ.帝国軍人を鍛えるための訓練,殴打,生体刺突…廃墟への生還.しかし,戦争はそこで終わりではなかった.そもそも人間はなぜ戦争をするのか,記憶を反芻し,考え続ける.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
YUTAKA T
3
敵との戦闘というよりは、軍隊内の日常生活、イジメ、理不尽、しごき、あと中国人捕虜への生体刺徒突、そうしたものばかりが印象的な戦争体験記である。軍隊内ではよくものがなくなるのだが、なくなった分、どこからか失敬してくる。どうやって戦争に勝つかよりも、どうやって立ち回って上官に殴られる回数を減らすかということのほうが重要なテーマになりがちなのだなあ、ということをしみじみ感じさせてくれる一冊。実際の戦闘の臨場感を感じさせてくれるような場面は少ないが、これもまぎれもない戦争体験記である。2021/04/22
Riopapa
1
満州からの引き揚げに比べると軍人は恵まれていたのだろう。しかし、民間人を銃剣で刺すということが訓練の仕上げとして行われるとは。人間は戦争が好きなのだ、という言葉は悲しいけど、歴史が証明している。2011/12/19
ぼけみあん@ARIA6人娘さんが好き
1
フォークソングにもなった映画『若者たち』や『幕末太陽伝』で有名な脚本家・山内久氏の従軍体験記。巻末に数ページの対談もある。軍隊の実体がある程度分かる。2009/05/29