出版社内容情報
桓武天皇が平安京に都を定めてより400年,地方での荘園制の発達を土台に,優美かつ絢爛たる王朝の栄華をほしいままにした宮廷貴族たちの普段の生活ぶりは,一体どのようなものだったのか? 平安400年の光と闇の真実にせまる.
内容説明
七九四年に桓武天皇が平安京に都を定めてより四百年、地方での荘園制の発達を土台に、優美な王朝の栄華をほしいままにした都の宮廷貴族たち―。しかし、彼らの日常は、次々に起きる大小さまざまな政争や権力闘争に日夜明け暮れるものだった。本巻は天皇や皇女貴族の日常を軸に、平安四百年の時代の真実にせまる。
目次
第1章 桓武王統と平安王権の原型―9世紀(桓武の兄弟・妻・子供;嵯峨・淳和の迭立と危機 ほか)
第2章 桓武王統の再出発と王統分裂―10世紀(宇多・醍醐と菅原道真;承平天慶の乱・安和の変と王統分裂 ほか)
第3章 王統の統一と道長・後三条―11世紀(王統分裂と摂関家;宮廷の爛熟と院政の形成 ほか)
第4章 院政と内乱の時代―12世紀(白河院―「不義」なる王権;鳥羽院―融和の挫折と武闘 ほか)
著者等紹介
保立道久[ホタテミチヒサ]
1948年東京都生まれ。1973年、国際基督教大学教養学部卒業。1975年、東京都立大学大学院人文科学研究科修了。現在、東京大学史料編纂所教授。専門は日本中世史
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感想・レビュー
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佐島楓
41
この時代は、血縁関係を把握するだけで大変。外交に気を配らなくて済んだ分を、私欲に振り向けてしまったのだろうか・・・。皮肉な時代である。2015/05/07
白義
19
総花的な通史ではなく、天皇家の政治史をざっくり主軸に、武士が台頭するまでの平安400年を概観した個性的な平安時代史。藤原氏を中心にした摂関政治や王統分裂とややこしくも暗い情念に満ちた政争史が描かれていて「ジュニア向け…?」と言いたくなるくらいには薄い割に本格派。白河院政の話など結構怪しげな記述も多そうだが、当時の宮廷の様子をその心理まで探るように描き、スキャンダラスな側面を強調しながらも通史シリーズとしてのツボは抑えた書き方は忘れていない。ただ、入門というよりはある程度知っている人向けに踏み込んだ本っぽい2015/09/23
coolflat
14
19頁。今でも「武士」というと、源平の武士という考え方が一般的であるが、しかし「武士」は平安時代の初めにはすでに登場していた。そして武士の組織の国家的な枠組みをつくったのが、薬子の変の後ほとんど時をおかずに設置された「令外の官」検非違使であった。検非違使は本来近衛以下の衛府の官人から選抜された天皇の親衛隊であったが、徐々に律令に規定された刑部省や弾正台の機能を吸収し、さらに本来、京職の役割であった都市警察機能を担うようになり、宮城内部と首都の治安を守り、「非違」を検察する強力な組織に発展していった。2023/02/07
シルク
12
岩波ジュニア新書、日本の歴史第3巻。4年前に読みまして、うむ、すっかり内容忘れたぜ(笑)! 荘園整理令辺りから話が始まり、そして、藤原式家だの承和の変だのあーだのこーだの……高校の時、「???」となった箇所なのだよな~。それで、読んだは読んだがさっぱり頭に残らず、感想も「何も書くことねぇな……」と放置していた。が、4年の時を越えて再読してみると、およよ、なんだよ、この本面白いぞ……(゜∀゜) ということで、感想は、再読の、後で(笑)2015/03/10
みにみに
10
平安時代の天皇は幼くして即位したり、摂関家が強かったり、お飾り的なイメージだったが、実際はしっかりと歴史の主役だったんだなとわかった。藤原家内部の争いも、源平の対立も、まずは天皇家ありき、なんだなー。平清盛の白河院落胤説がほぼ史実のように語られているのにびっくり。あっさり太政大臣まで登りつめることが出来たのはそういう訳だったのかー!2015/10/16
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