出版社内容情報
アメリカ公民権運動の指導者として,つねに非暴力抵抗運動の先頭に立って闘い,志半ばで凶弾にたおれたキング牧師.「わたしには夢がある.それは,いつの日か,かつての奴隷の息子と,奴隷所有者の息子が,兄弟として同じテーブルに腰をおろすことだ.」人間愛に満ちた社会の実現をめざし,三九年の生涯を燃焼した,その足跡をたどる.
内容説明
アメリカ公民権運動の指導者として、非暴力抵抗運動の先頭に立って闘い、志半ばで凶弾にたおれたキング牧師。「私には夢がある。それは、いつの日か、かつての奴隷の息子と、奴隷所有者の息子が、兄弟として同じテーブルにつくことだ。」人間愛に満ちた社会の実現をめざし、三九年の生涯を燃焼した、その足跡をたどる。
目次
1 牧師への道
2 歴史の舞台へ―バス・ボイコットの勝利
3 非暴力をかかげて―公民権運動の高まり
4 私には夢がある―ワシントン大行進
5 栄光と苦難―ひろまりゆく対立
6 私たちの進む道―アメリカよ変われ
7 最後の巡礼―ヴェトナム反戦と「貧者の行進」
著者等紹介
辻内鏡人[ツジウチマコト]
1954年兵庫県に生まれる。東京大学経済学部卒業、同大学院修了。経済学博士。現在、一橋大学社会学部助教授
中条献[チュウジョウケン]
1955年東京都に生まれる。一橋大学社会学部卒業。デューク大学大学院博士課程(歴史学専攻)修了。Ph.D.現在、桜美林大学国際学部教授
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たつや
67
偉人の生涯や過去の偉業、知らないことや学んだはずなのに忘れてる事が多い自分は、今更ですが、愉しく学び直してる気分です。キング牧師では、ケネディ大統領やマルコムXも、出てくるので映画を見た気分。人種差別について、知らなかったことが多く、自分を恥じた。2017/10/14
Shoji
32
何かの本の「歴史を変えた人」特集でキング牧師が載っていた。米国には、黒人差別が法で認められ、差別を受け入れなければ逮捕される時代があった。白人による黒人差別は暴力の域だ。婦子女であっても容赦はない。公僕が率先して集団暴力だ。ギリシア・ローマ時代ではない。20世紀の話だ。キング牧師は、非暴力・言葉の力で、公民権運動を展開して行く。それは今日の「強い米国」の礎にもなった。間違いなく「歴史を変えた人」だ。読了後、youtubeでキング牧師のスピーチを見た。I have a dream.の声に聞き入った。2024/03/07
あっきー
17
✴4 熱いぜ!この熱さにしびれて皆が非暴力の行動に立ち上がった、池上の番組でキング牧師が特集されていて気になっていた、その番組と内容が似ていたので制作スタッフもこの本を読んでいたんじゃないかと思う、マルコムXとの思想の違いの説明もある、最後の巡礼の章の亡くなる2ヶ月前の演説には泣けてしまった2020/01/16
sankichineko
16
キング牧師の死の前日の演説を初めて聞いたとき、魂がふるえるとはこの事かと思いました。「みなさんとともに、あの約束の地へ行くことは、私にはできないかもしれません。」彼が見た「約束の地」に、人類はいつになったらたどりつけるのか。彼は何十年もそこで待ってくれているのに。2019/05/11
Yukiko
16
とても読みごたえのある本だった。ジュニア新書のシリーズで「ですます」調で書かれているのに、子ども向けではないと思う。キング牧師がヴェナム戦争をどう思っていたのか。「アメリカが地球の反対側まで出かけていって、罪もない子どもたちとその親を無残に殺し、家と畑と森林を焼き払っているのを、それまでも暗澹とした気持ちで見てきました」「自由と幸福を求める権利が万人にあることを宣言したアメリカが、攻撃をしかけられたわけでもないのに、住民を殺すために、大挙して派兵することに、彼は大きな疑問を感じずにいられませんでした」2015/07/12