出版社内容情報
ドストエフスキーの文学には若者の魂を奥底から衝き動かす力があります.極貧と絶望の果てに殺人へと駆りたてられるラスコーリニコフ,充たされぬ生活から大富豪を夢見るアルカージーなど彼の描く人物像は,現代人が抱える内面の矛盾を表わします.『罪と罰』『未成年』など主要作品の短い言葉からその魅力に迫る.
内容説明
ドストエフキスーの文学には若者の魂を奥底から衝き動かす力があります。極貧と絶望の果てに殺人へと駆りたてられるラスコーリニコフ、充たされぬ生活から大富豪を夢見るアルカージーなど彼の描く人物像は、時代を越えて現代人の内面を映します。『罪と罰』『未成年』はじめ主要作品の短い言葉からその魅力に迫る。
目次
1 小説のなかの人びと
2 こころの暗がり
3 人生の重荷
4 生きるよろこび
5 ロシアの光景
6 宗教と科学のあいだで
7 ゆれうごく社会
8 作家たちと
ドストエフスキーの生涯
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジョニジョニ
16
世界一影響力の強い人ランキングがあったとしたら、一二を争うであろうドストエフスキー。なぜならば、面白いから。どれだけ科学が進もうとも、人間は人間が好きなんであって、それが一番大事なことなんだと思ってたんじゃないかな、と思います。トルストイの描く対話場面ではうまそうな物をムシャムシャ食べてるけど、ドストエフスキー作品では紅茶一杯で長々と喋ったり、水すら飲まずに長広舌をふるったりするという着眼点に感心しました。美味しい物を食べるのは楽しいけど、満腹以上には食べられない。面白い話は、いくらでも食べられます。2020/07/12
さえきかずひこ
16
名著。ジュニア向けのようだが、全く手が抜かれておらず(33歳のわたくしも読んで)ドストエフスキーの魅力が伝わってくる。感銘を受けた。2014/05/04
活字スキー
14
ドスト作品は読んでないものの方が断然多い生ぬるい本読みの自分ながら、頑張って読んだどの作品もめちゃめちゃ面白かったし、もっと読めるようになりたいなーと思って気になっていた本を秋の古本市でゲット。書かれたのはかなり古い(ソ連時代)が、人間存在の根源に根差したドスト作品の偉大さを伝えんとする著者のドスト愛が素晴らしく、とても面白かった。 2017/12/10
美東
10
著者・中村健之介氏による まえがき ”といっても、これは「ドストエフスキー早わかり」の本ではありません。” ということで、ドストエフスキーの著作をなにがしか読んだ経験がないと、そのおもしろさがなかなか伝わらない本となっているように思う。2024/03/08
ががが
10
ドストエフスキーに限らずだけど、文学の面白さを説明するのは自分には難しい。ドストエフスキーの何に惹かれるのかを明らかにしている点で本書はとても有益だった。特に魯迅のドストエフスキーの解釈がほんと自分が感じてたとおりで我が意を得たりだった。難しい文学論でなく、見開き一ページでまとめているので身構えなくてもスラスラ読める。すでにドストエフスキーの作品をいくつか読んでるならまずこれは読むべきだと感じた。2014/12/08
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- 和書
- フランス語これでOK