出版社内容情報
古代ギリシア人の間に生きており,今日までさまざまな形で語られてきたたくさんの物語――それがギリシア神話です.その中の代表的な物語を,世界の創造,神々,英雄,人間の運命といった順序で,系統立ててわかりやすく紹介し,神話がもっている話題の豊かさ,面白さを伝えます.文学・芸術理解の基礎教養としてどうぞ.
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
20
「ジュニア」となっているが語りが優しいけど内容は深い。神話は「ミュートス」(語り)であってそれと対置するのが哲学の「ロゴス」なのだけど哲学もこの神話を必要とする喩えが多くある。ニーチェのディオニューソスもそうだが、母親をヘラに殺されたので復讐に燃え神々の女を次々に手籠めにし、葡萄を栽培して酒の神となるのはそうした狂気であり狂信者の女性信者を獲得していったとか。あと変身物語の蜘蛛になった女や牛になった娘の話とか面白い。カフカとの比較論考で牛になったイオは足で文字を書くことで自分がイオであることを父に伝えた2025/03/08
読書実践家
9
ギリシア神話の入門書。人は不死を求めていつの時代も奔走しているのだと思った。ゼウスやメドゥサなども登場する。カフカと神話を関連させた話も出てくる。自国や地球のアイデンティティを知りたいと思うのは、人間の鋭い欲求なのだろう。それがたとえ、史実に基づかなくて、実証性がなくとも、それがあるとないのとでは雲泥の差なのだ。2015/08/27
NICK
7
ギリシャ神話の登場人物はアニメや漫画、ゲームなどでよく引用するのを見るが、しかしその詳しいところはあまり知らない(某ゲームで「ヘラクレスめっちゃ有名だから能力補正がスゴイ」というもに全く実感がなかった)。この本はギリシャ神話の全てではないのしても、文化英雄プロメテウスから始まりオリンポス十二神やヘラクレスといった英雄の有名なエピソードが古代ギリシャの人々の世界観、人生観と共に紹介されている。人々の願いや思想が(無意識的に)投影されたギリシャの神々。引用の宝庫であると同時に生きた宗教でもあったに違いない2015/09/25
みどるん
6
アキレス腱の名前のように現代日本でも浸透しているギリシア神話。最近ではファンタジー、SF、アニメ、ラノベなどでも固有名がよく使われるので、教養として知っていた方がいい。ゼウスのやりたい放題さに驚くこと間違いなしです。2014/08/01
あっぷる
5
ギリシア神話を読みやすく紹介してくれますが…やはり人物名でこんがらがります。決まりきった型がないので、複雑ですし。だからこそ、さまざまな解釈が成り立ちおもしろみも生まれるのですね。ちょっとずつ、理解を深めたいです。2015/09/14