岩波新書<br> 姥棄て考 - 老いの場所をさがして

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姥棄て考 - 老いの場所をさがして

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  • サイズ 新書判/ページ数 252p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784004321262
  • NDC分類 380.4
  • Cコード C0239

出版社内容情報

役に立たない年寄りは、早く世を去ったほうがいい――超高齢化社会のいま、現代版「姥棄て」を求める気配がありはしないか。日本に伝承されてきた棄老の民俗と、『遠野物語』『楢山節考』『蕨野行』等の棄老を描いた文学や映画から、家族・共同体・国家と老いを考える。世代間をやわらかく架け渡す、「降りるための思想」にむけて。


【目次】

序 章 姥棄てへの道行きのために
 棄てるとは、棄てられるとは
  爺ではなく、なぜ姥か
  「すてる」の繊細な多義性
  分かちがたくある遺棄と殺害
 描かれた棄老と「集団自決」
  老人の集団自決とはこのようなもの?
  『ミッドサマー』を考察する
  崖/伝承のアッテストゥパン
  解釈は議論の素材たりえない
 美少年が老いるとき
  『ベニスに死す』のその後に
  顔を専有する暴力と悲しみ
  若さに囚われる罠
  避けがたき老い

第一章 老いのフォークロア――棄老譚を読みなおす
 はじまりとしての姨捨山
  棄老は伝説か事実か
  『大和物語』/信州更級の「姨捨山」
  家族間の葛藤で棄てられた姨=伯母
  棄てる先は、なぜ山なのか
  「姨捨山」から謡曲『姨捨』へ
  棄老をめぐるさまざまな共同幻想
 愛とモッコのあいだに
  柳田国男の「親棄山」
  外来型〈孫とモッコ〉〈老人の知恵〉
  日本型〈婆と小槌〉〈奥山の栞〉
  昔話から推測する母系制、父系制
 棄老譚をめぐる家族/共同体/国家
  棄老の理由を考える
  サバイバルの作法としての可能性
  国家の法に組
  みこむことの矛盾
 棄老における死生観と他界観
  棄老の場所とその呼び名
  死と埋葬の濃密なイメージ
  死という時間・他界という空間への旅
  〈更級の姨捨山〉〈婆と小槌〉の他界観
 木の股に棄てられる老人と山の神
  境界となる年齢
  木の股にまつわる棄老伝説
  股の木に託された死と再生
  イニシエーションとしての事例
  棄老から祝福への転倒
  語られざる歴史の一端に触れたい
 棄老から隠居へ、小屋を立てる
  失われた古老の役割
  弱者となった老人の習俗
  婚姻形態と隠居のあり方
  隠居制度以前の小屋住まい
 通過儀礼として小屋を焼く
  姥棄てから浮上する家族制度
  嫁と姑の主婦権をめぐる争い
  嫁入婚によって浮上した主婦権
  婆を山で焼くということ
  豊穣な老いのフォークロアへ

第二章 姥棄てはいかに描かれているか
 棄老譚の黄昏のなかで
  文学から読む棄老の精神史の残像
  『遠野物語』以前/以後
 『遠野物語』/棄老譚の近代を背負って
  デンデラ野伝承の孤立と異端
  異質で稀有な『遠野物語』
  労働し、生き延びる老人
  ダンノハナ/デンデラ野
  生/老/死を背負った場所
  集合的記憶としてのデンデラ野
 『楢山節考』/現代の民話の試みとして
  『楢山節考』が描いた棄老の習俗
  「山へ行く」こ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

読書熊

2
人類と切っては切れない退場論、老い2026/10/05

y

2
姥棄てというと、民話や小説など実際にはなかったものとぼんやり思っていましたが、本書で今形を変えて存在していると気づきました。 まだ隠居はピンときませので、最終章で提案されている新たな隠居像は、会社における世代間の技術・知識の継承とシンクロしてしまいました。2026/10/03

tecchan

1
棄老,いわゆる姥捨について、古来よりどうとらえられ実際はどうだったのか。古典,映画,小説などでどのように描かれているか,など総合的に明らかにしようとした論考。 超高齢化社会に入った我が国で老いの居場所はどうなるのかなど課題も。2026/10/20

こたろう

1
以前読んでいたのを心残りに思い、一気に読んだ。「姥棄て」の系譜学とも読め、柳田のテクストや諸素材、実際の史実や映画、そして現代における成田悠輔のくだんの発言とそれをめぐる上野千鶴子との対談などいろいろ載っており、大きく姥棄て/隠居という二元論に貫かれているが、必然の帰結として、隠居、つまり猫の座に居座るという仕方での生存を導出する。姥棄ては、自身、そして経済的事情等の抜き差しならない状況あるいは民族的習慣によって様々な仕方でなされる。その系譜学を描きつつ、創造的な隠居を考えなくてはならない。2026/10/09

白いカラス

1
高齢者の介護問題や施設入所も現在の日本が抱えている姥棄て状態かな?2026/09/25

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